研究課題/領域番号 |
23K15255
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤本 俊成 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50818507)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 腎臓再生 / 胎生臓器補完法 / iPS細胞 / 前駆細胞 / 後腎 |
研究実績の概要 |
以前にタモキシフェン誘導下にネフロン前駆細胞(NPCs)が除去可能なSix2-DTAマウスを確立した。同マウス後腎にヒトiPS細胞由来NPCsを移植することでヒトネフロン再生を行うことを目的とした。まず同法に適したNPCs誘導法の検証としてMorizane法、Taguchi法を比較検討をした。Morizane法ではより高効率にNPCsが誘導可能かつ2次元培養のため細胞移植のための細胞懸濁調整が容易であったが、マウス後腎移植において細胞定着を認めなかった。一方でTaguchi法では3次元培養であり細胞懸濁調整が困難であったものの、マウス後腎へのわずかながら定着を認め、NPCs誘導法としてTaguchi法を選択した。次に移植後の定着効率向上を目指して、Sortingによる高純度NPCsの抽出を試みた。ITGA8+/PDGFRA-を指標として磁石付き抗体を用た、マグネットSotingにより短時間かつ高効率にNPCsの純化が可能であった。 また細胞受け手側のSix2-DTAマウスの問題点として前駆細胞除去スピードが遅いことが挙げられた。より迅速に前駆細胞を除去し、ヒトNPCs生存に有利な環境を速やかに与えることで定着効率の上昇が望めると考えた。新たな前駆細胞除去モデルとして、アポトーシス経路の制御因子であるcaspaseをSix2発現細胞に導入した、Six2-iC9を作成している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期の目的である最適なNPCs誘導法の検証およびSortingによるNPCsの高純度化を行うことができた。また新たなネフロン前駆細胞除去モデルの確立に着手している。
|
今後の研究の推進方策 |
高純度化したヒトNPCsを既存もしくは新規ネフロン前駆細胞除去モデル後腎に移植することでより高効率なヒトネフロン再生を試みる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた見積り額よりも少ない額で概ね順調にすすんでいるが、次年度使用額を用いてさらに研究を発展させたい。
|