研究課題/領域番号 |
23K15411
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植田 洋平 京都大学, 医学研究科, 助教 (30848213)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 成長因子 |
研究実績の概要 |
野生型ラット、GH欠損ラット、CNP欠損ラットおよび両者の欠損ラットの成長曲線を比較し、GHとCNPでは成長段階での作用時期が決定的に異なることを見出した。生後すぐのGH欠損ラットは野生型ラットと同等の表現型であるが、加齢につれGH欠損ラットは成長障害を示すようになる。逆に、CNP欠損ラットは生後すぐの時点で野生型ラットと比較して明らかな成長障害を認め、その後も成長障害を持続して認める。これは生後すぐの時点ではGHよりもCNPの方がより成長に及ぼす影響が大きいことを示す所見であり、より若年ではCNP製剤が成長障害に有効である可能性を示すものである。またGHとCNP両者の欠損ラットは両者の表現型を併せ持つ表現型となり、GHとCNPは同様の経路により成長を促進しているのではなく、それぞれ独立した成長促進経路を有していることが示唆された。これはGH製剤とCNP製剤併用の有効性を支持するものである。さらにGHとCNPの作用の違いについて解析するため、GH欠損ラットとCNP欠損ラットで成長板の形態を比較したが明らかな差は認めなかった。両者の違いを明らかにするには細胞内シグナルなど詳細な解析が必要と考えている。 またGHとCNPの相互作用の解析の実験においては、GH欠損ラット、CNP欠損ラットにおいてIGF-1、CNPの血中濃度を測定し、GH欠損ラットではCNPの血中濃度が低下することを見出した。CNP欠損ラットではIGF-1血中濃度の明らかな変化は見られなかった。このことはCNPの産生、分泌および代謝にCNPが影響していることを示唆するものの、GH欠損ラットでは野生型と比較して軟骨などのCNP産生臓器の縮小がみられ、臓器自体の減少によるものである可能性も考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型ラット、GH欠損ラット、CNP欠損ラットおよび両者の欠損ラットの表現型解析のため、成長曲線の比較と組織学的な成長板形態の比較を行った。免疫染色等詳細な組織学的評価は実施途中である。またGHとCNPの相互作用の解析のため、GH欠損ラット、CNP欠損ラットにおいてIGF-1、CNPの血中濃度を測定した。現在のところおおむね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はGHとCNPの作用の違いや両者の相互作用をさらに追究すべく、成長板組織での免疫染色、組織中のCNP発現量の測定、μCTを用いた骨微細構造の評価、また成長板の分化段階を模倣する細胞株ATDC5を用いた細胞内シグナルの解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会のリモート参加などにより旅費を節約することができた。円安による試薬等の高騰により必要な物品費の増大が見込まれるため、節約分は次年度の物品購入費に充てる予定である。
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