研究課題/領域番号 |
23K15412
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
志智 大城 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80974914)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 3Dスフェロイド / 下垂体神経内分泌腫瘍 |
研究実績の概要 |
我々は下垂体腫瘍術後検体を機械的、酵素的に細胞へ分離してマトリゲルに包埋することで3Dスフェロイド培養系を確立してきた。これまでに先端巨大症に対して20例での術後培養細胞に対する薬剤反応性試験を培養座量で行った。薬剤としては第一世代ソマトスタチン誘導体であるオクトレオチド、ドパミン作動薬であるカベルゴリン、第二世代ソマトスタチン作動薬であるパシレオチド、さらにアルキル化剤であるテモゾロミド、そして近年テモゾロミド治療抵抗性症例に報告のある5FUとテモゾロミドを組み合わせたCAPTEM療法である。これらのex vivo薬剤反応性と摘出腫瘍病理所見(ソマトスタチン受容体発現、Ki-67、granulation patternなど)、術前薬剤反応性との関連性(オクトレオチド皮下注試験、ブロモクリプチン試験など)、MRI所見、年齢、性別など、これまでの薬剤感受性と関連する因子と本3Dスフェロイド培養による反応性との関連について現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腫瘍検体は手術件数に依存するため、現在予定より10例ほど検体数が遅れている。また、他院からの病理所見や術前ホルモン負荷試験のデータ入手に一部遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今後薬物治療後の検体から抽出したRNAやスフェロイドを凍結させ、免疫染色を行い、薬剤抵抗性を呈する腫瘍と反応性を認める腫瘍の違いを明らかにする。その分子が下垂体腫瘍においてどのような役割を果たすのか、特異的阻害剤やノックダウン、強制発現などにより明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
手術数が予定より少なかったこと、RNA解析や免疫染色による解析が現在アッセイの確立のために時間を要していることから、次年度にこれらを推進するため使用させていただくこととした。
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