研究課題/領域番号 |
23K15418
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中尾 友美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20867288)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | コルチコステロイド結合グロブリン / 副腎皮質機能低下症 |
研究実績の概要 |
コルチコステロイド結合グロブリン(CBG)は、糖質コルチコイドのキャリア蛋白で、末梢臓器へのコルチゾール輸送に関わる。我々は、CBG低下を伴う副腎皮質機能低下症症例を経験し、新規 CBG遺伝子(SERPINA6)変異を同定するに至った。本研究の目的は、我々が新規に同定した変異CBG蛋白の機能解析(分泌能、コルチゾール結合能、安定性)を行い、正常CBG蛋白との比較においてこの変異が血中コルチゾール値に与える影響を明らかにすることである。また、副腎皮質機能低下症疑いの患者を前向きに登録し、血中CBG低下の頻度、CBG遺伝子変異の有無、臨床的特徴(副腎不全症状の有無、体重、BMI)を検討することで、副腎皮質機能低下症と診断された患者においてCBG異常が一般血液・尿検査、副腎ホルモン検査(ACTH、血中・尿中コルチゾール値、ホルモン負荷試験)や診断にどのような影響を与えているかも明らかにしたいと考えている。 2023年度は副腎皮質機能低下症疑いの症例21例と対照群9例を前向きに登録し、血中コルチゾール値、蓄尿コルチゾール値を比較検討し、ELISAで血中CBG濃度測定、シークエンス解析でCBG遺伝子異常の有無を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は副腎皮質機能低下症疑いの症例21例と対照群9例を前向きに登録し、血中コルチゾール値、蓄尿コルチゾール値を比較検討し、ELISAで血中CBG濃度測定、シークエンス解析でCBG遺伝子異常の有無について解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
副腎皮質機能低下症疑い群および対照群について各々100例の前向き登録を目指す。それらの血中CBG濃度測定、SERPINA6変異の有無検索、CBGの機能評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究開始に際して2023年7月に倫理申請を行い、患者および対照群の前向き登録を開始した。次年度は対照群としてのボランティア募集など症例登録数が増加すると予想される。これらの血中CBG濃度測定、SERPINA6遺伝子異常の解析、CBG蛋白機能評価を行う予定である。
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