5-ALAは、内因性のアミノ酸でミトコンドリアが機能するために重要な役割を果たし、代謝産物が蛍光を発することを応用している。5-ALA代謝ががん細胞、正常細胞で異なり、さらに生物学的性質の異なる乳癌サブタイプでも異なる可能性が示唆された。 そこで本研究では、5-ALAを用いたPDDで癌細胞を可視化する。さらに、高速液体クロマトグラフ質量分析技術を用いて網羅的に代謝物の解析をすることで、乳癌細胞内での5-ALA代謝の特徴を明らかにする。 この研究によって、癌細胞の検出のみならず、細胞診断の課題であるサブタイプ分類まで行うことができ、より低侵襲な手技で、迅速かつ精度の高い乳癌診断が実現できる。このような全く新しい乳癌診断解析技術の開発を目指す。今後の乳癌診療に大きく貢献できる上、他癌腫でも応用可能であり、病理学的診断を使わない日本発の新たな診断技術の開発に繋がることが期待される。
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