研究実績の概要 |
2023年4月に近畿大学から神奈川歯科大学へ異動となったが、研究体制は維持したままである。近畿大学で得られた全身の炎症反応に関する臨床データ(主に、C反応性たんぱくの変化や末梢血液像の割合変化など)から、CRP産生抑制がみられることが分かっていた。しかしながらこの機序は不明であった。科学研究費申請時点で細胞レベルでシグナル伝達系やサイトカイン産生を追いかける予定であったが、異動先の神奈川歯科大学に電子スピン共鳴装置があり、抗酸化作用を計測できる実験施設があった。ヒドロキシラジカルを代表とする活性酸素種(ROS)による酸化作用によって炎症反応が生じていることはこれまで知られているが全身麻酔の分野ではあまり検討されていない。2023年度は抗酸化作用によるCRP産生抑制に着目し、研究を進めるに至り、2024年3月にその結果をImmunity, inflammation and disease誌に投稿した(S Tsukimoto, et al. “Anti-inflammatory potential of remimazolam: A laboratory and clinical investigation.” Immunity, inflammation and disease vol. 12,3 (2024): e1218. doi:10.1002/iid3.1218)。
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