研究課題/領域番号 |
23K15613
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
加藤 文崇 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30837315)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 敗血症 |
研究実績の概要 |
1. ヒト、マウスの各臓器におけるCK7発現細胞の発現様式や生理活性物質等の共発現の有無、立体構造の解明 集中治療室入室患者の病理検体標本を用いて、全身の臓器標本に対しCK7に対する免疫染色を行い、CK7陽性細胞の数、CK7陽性管腔形成数を調査し、MODS患者における臓器毎の発現数を非MODS患者と比較した。また、死亡時の検査データと照合し、CK7陽性細胞数と高ビリルビン血症、高アミラーゼ血症、高クレアチニン血症等との相関関係につき前向きの調査を行った。また、同様の調査を敗血症モデルマウスにて行い、線維化の原因となる物質や組織幹細胞マーカーとの共発現の有無を共焦点レーザー顕微鏡にて確認した。さらに、CK7陽性管腔構造の立体構造を調査し、下流にある胆管、膵管、集合管への交通の有無を確認した。 2.マウスにおけるCK7陽性管腔構造の成因の探索 GFP(Green Fluorescent protein)トランスジェニックマウスの骨髄を、放射線照射した野生型マウスに移植する。その後GFP骨髄移植後のマウスにて敗血症モデルマウス(CLPモデルマウス、LPSモデルマウス)を作製し、CK7陽性細胞の発現や、CK7陽性管腔の形成における骨髄由来細胞の関与につき調査を行った。今までの検討にて、GFP陽性細胞が管腔構造形成のニッチとなっていることが示唆される結果が出ており、MODSにて生じる臓器構造の変化が、骨髄由来細胞由来の異常な幹細胞が関与している可能性につき調査を行った。 3.集中治療室入室患者における血中、尿中CK7濃度とMODS発症の前向き調査 CK7陽性管腔構造形成のパラメータの探索のため、集中治療室入室患者における前向き調査を行った。血中CK7、尿中CK7等の測定をELISA法にて行い、臓器障害との関係性につき調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き集中治療室入室患者の病理検体標本を用いて、全身の臓器標本に対しCK7に対する免疫染色を行い、CK7陽性細胞の数、CK7陽性管腔形成数を調査し、MODS患者における臓器毎の発現数を非MODS患者と比較する。また、死亡時の検査データと照合し、CK7陽性細胞数と高ビリルビン血症、高アミラーゼ血症、高クレアチニン血症等との相関関係につき前向きの調査を行う。また、同様の調査を敗血症モデルマウスにて行い、線維化の原因となる物質や組織幹細胞マーカーとの共発現の有無を共焦点レーザー顕微鏡にて確認する。さらに、CK7陽性管腔構造の立体構造を調査し、下流にある胆管、膵管、集合管への交通の有無を確認する。また、GFP(Green Fluorescent protein)トランスジェニックマウスの骨髄を、放射線照射した野生型マウスに移植する。その後GFP骨髄移植後のマウスにて敗血症モデルマウス(CLPモデルマウス、LPSモデルマウス)を作製し、CK7陽性細胞の発現や、CK7陽性管腔の形成における骨髄由来細胞の関与につき調査を行う。。今までの検討にて、GFP陽性細胞が管腔構造形成のニッチとなっていることが示唆される結果が出ており、MODSにて生じる臓器構造の変化が、骨髄由来細胞由来の異常な幹細胞が関与している可能性につき調査を行う。加えて、CK7陽性管腔構造形成のパラメータの探索のため、集中治療室入室患者における前向き調査を行った。血中CK7、尿中CK7等の測定をELISA法にて行い、臓器障害との関係性につき調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は主にヒトでの研究を開始し、集中治療室入室患者を対象とした前向き研究に注力していたため、研究費用が必要な動物実験の進捗が遅れている。そのため当初の予定より使用金額が少なくなったが、今後使用する予定である。
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