研究課題
集中治療の進歩にかかわらず、腸管虚血とそれに引き続く多臓器障害は、いまだに死亡率が極めて高い。日本発の新たなキサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬であるフェブキソスタットは強い抗酸化作用をもち、これを改善する可能性がある。XOは活性酸素の産生にかかわり、腸管や肺などの主要臓器に広く分布することが知られている。我々はこれまで、ラット出血性ショックモデルにおいて虚血腸管で産生される腸間膜リンパ液が肺障害に重要な役割を担うことを解明し、遠隔臓器障害における機序を見いだした。さらに、XO阻害薬の抗酸化作用と抗炎症作用が出血性ショックにおける肺障害を軽減することを世界に先がけて明らかにした。本研究ではこれらの成果を発展させ、腸管の虚血再灌流障害とそれに引き続く多臓器障害を新たなXO阻害薬であるフェブキソスタットが軽減するかを検討し、機序について考察する。本年はラット腸管虚血再灌流障害モデルの作成を開始した。
3: やや遅れている
コロナ禍のため、研究時間を十分に確保できなかったため。
虚血再灌流後の腸管の酸化ストレスと炎症性メディエータのマーカーを測定する。
コロナ禍により研究に遅延が生じ、今年度使用予定であった物品が不要となったため。
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