研究課題/領域番号 |
23K15626
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
末金 彰 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40856382)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 敗血症 / DIC / 血管内皮 |
研究実績の概要 |
敗血症は感染に対する免疫反応の制御不全と定義され、急性の多臓器不全を引き起こす。毎年数百万人が罹患し、死亡のリスクも高い。救急領域においては下部消化管穿孔症や尿路感染症による敗血症を多数診療するがDIC (Disseminated Intravascular Coagulation)は敗血症に高率に合併し、予後を著明に悪化させる。敗血症DICにおいては様々な炎症性サイトカインやROS (reactive oxygen species)の上昇による血管内皮、特にグリコカリクスと呼ばれる血管内腔の細胞外基質の破綻が病態の原因、早期診断マーカーとして注目されている。敗血症によって引き起こされる全身炎症や疼痛は、浸潤受容体を介して血管内皮に分布する感覚神経の活性化を引き起こすが、血管内皮、グリコカリクスの損傷やDICへの進展に与える影響は、解明されていない。このため本研究では敗血症によって誘導される浸潤受容体を介した感覚神経の活性化による血管内皮、グリコカリクスの損傷を介した敗血症とDICにおける役割を明らかにし、治療標的としての応用可能性を検討することを目標とする。2023年度はヒト敗血症臨床検体を用いて感覚神経活性化、神経内皮障害と、DICの関連を検討する臨床研究を開始した。またマウス敗血症DICモデルを作成し、病態の解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究の開始、マウスモデルを用いた病態の解明についても予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究は来年度で予定の症例数に達する見込みとしており来年度から再来年前半までには臨床検体、臨床データの解析を予定している。また来年度中にマウスモデルの解析も終了する予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は臨床研究、動物実験の計画に時間を要したために使用金額が少なかったが、次年度で使用する予定としている。
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