研究課題/領域番号 |
23K15663
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石崎 友崇 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50970125)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | SEEG / fMRI / 脳磁図 / コネクトームマップ / 定位的脳深部焦点離断術 |
研究実績の概要 |
(a)SEEG 2023年度は新たなSEEG施行が12件であり、その全てでマッピングを行っている。特に島回のマッピング件数が増えており、特徴的な刺激所見を得ることができた。また、現在視床のSEEG研究の倫理申請が最終段階に進んでおり、間もなく、視床に対してもSEEGデータを収集することが可能となる予定である。視床SEEGは2023年医本邦で新たに認可されたてんかんに対する視床前核DBSに関連した研究でもあり、興味関心の集まっている分野である。視床SEEGはこれまでにまとまった数で施行された報告はないため、症例数を重ねることで得られるデータは貴重なものとなる。視床SEEGの結果がDBSの予後につながるかどうかの解析を進めるよう前向き研究を組んた。また、解析手法の一つとして新たにepileptogenicity indexを加え始めることとした。 (b)fMRI 2023年度は15件が施行された。FCOR解析を順次進めている。また、ハブ解析についても新たな観点での解析を現在試験中である。 (c)脳磁図 脳磁図を用いた内側側頭葉てんかんに対するネットワーク解析についての論文をScientific Reports誌に発表した。 (d)個人コネクトームマップ SEEGを行った患者についてコネクトームマップを作成した。 定位的深部焦点離断術を行い、Seizure誌に報告を行った。 (e)術後評価 術後1年の検査入院を進めており、順次臨床データを収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数については各検査ともに予定通りの進み具合である。 本研究テーマについてすでに2報の論文を発表できたことは順調なペースと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
SEEGを用いた皮質刺激マッピングで明らかにするてんかんコネクトームで、興味深い結果が得られる可能性が出てきており、SEEG症例を増やすことでより確かな結果を得たいと考えている。 fMRIのFCOR解析をSEEGと組み合わせた形でできないかを現在検証中である。 脳磁図は今回発表した論文と同じ手法を用いて側頭葉-前頭葉間のコネクトームに特に着目して明らかにしたいと考えている。 定位的深部焦点離断術は対象部位を拡大することで新たな知見を収集し、論文化を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の時点で支払いが必要な研究支出金額が55,143円を超えていたため、本研究資金は使用せず残すこととし、他研究助成金から支払いを行ったため。
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