研究課題/領域番号 |
23K15705
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
照川 ヘンド 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80975376)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 閉経後骨粗鬆症 / アネキシンA1 |
研究実績の概要 |
12週齢雌マウスの両側卵巣を摘出(OVX)し閉経後骨粗鬆症モデルマウスを作製した。術後2日目からアネキシンA1(0.1mg/kg)を週3回腹腔内投与し(A群)、術後28日目に大腿骨を採取した。Negative controlとしてPBS投与群(P群)、positive controlとして抗RANKL抗体投与群(R群)を設定した。採取した大腿骨は、マイクロCTによる骨量評価および組織学的評価をそれぞれ行った。 マイクロCT評価では、P群と比較してA群およびR群では骨量が著明に高値であった。A群とR群とに間に差はなかった。TRAP染色評価でも、P群と比較してA群およびR群では骨吸収領域および破骨細胞数が低値であった。A群とR群との比較ではR群の方が有意に低値であった。また免疫染色では、骨細胞におけるPodoplanin染色陽性率がA群で高い傾向にあった。 続いて、アネキシンA1ノックアウトマウスに対しても、同様に閉経後骨粗鬆症モデルマウスを作製し、アネキシンA1の腹腔内投与を行った。その結果、アネキシンA1ノックアウトマウスにおいても、アネキシンA1の外的投与によって骨量減少が緩和される結果であった。以上の結果から、①アネキシンA1が抗RANKL抗体と同様の強い骨吸収抑制・骨形成促進効果を有すること、②その機序としては抗RANKL抗体のような破骨細胞の協力な分化抑制作用だけではないこと。以上の2点が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルマウスを用いたin vivo実験について、仮説通りの結果を得られている
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今後の研究の推進方策 |
野生型マウスおよびノックアウトマウスから骨芽細胞、骨細胞を単離し、in vitro検証をすすめていく予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
ノックアウトマウスを用いた研究を進めるために十分なマウス数の確保に時間を要するため、次年度に研究を行う予定としたため。
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