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2023 年度 実施状況報告書

新たな烏口鎖骨靭帯再建術の有用性:解剖学的骨孔作成法の制動力と術後臨床成績の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K15719
研究機関札幌医科大学

研究代表者

杉 憲  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60972792)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード肩鎖関節脱臼 / 靭帯断裂形成手術 / 動態解析
研究実績の概要

肩鎖関節脱臼症例に対する解剖学的靭帯再建術について検討を開始した。
まずは臨床応用に向けた妥当性の検討として、Thiel法による全身標本を用いて理想的な体位の検討を行った。これは骨孔作成やガイド挿入時において、肩甲骨位置や頭頸部位置が手技に大きく影響すると考えられたため、当初予定していたビーチチェアポジションに加えて側臥位における検討を行った。どちらの体位も手技自体は可能であることを確認したが、ビーチチェアの際は頭頸部位置に留意しなければ骨孔作成に影響を及ぼすことがわかった。
また肩鎖関節脱臼症例のバイオメカ研究においては、予備研究を進めることで理想的な座標系設置を検討し、ロボットへの固定・動作の確認を行なった。
動態解析については、3Dスキャン&イメージングソフトウェアを購入した。実際の肩鎖関節脱臼症例はまだ少数しか集められていないため、まずは過去の研究で用いた健常者データを参考に、肩鎖関節における3D/2Dレジストレーション法を用いた検討を行なった。これにより挙上動作における烏口鎖骨間の距離が角度と共に変化することを定量的に確認した。
令和5年度後半からは、2例ではあるものの本術式の臨床応用に成功した。この際、脱臼症例の動態データを採取したので、今後手術前における動態解析を予定している。まだ数ヶ月の段階で臨床成績を評価するには時期尚早であるものの、超短期成績としては矯正損失は見られていない。よって急性期肩鎖関節脱臼症例に対して、現時点では有用な方法と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたThiel法による模擬手術は、当院サージカルトレーニングに合わせて検討予定であったものの、令和5年度は使用可能な検体数が少なく統計解析が可能なまでのデータが揃わなかったため、体位による手技の影響について確認するに留まった。
その他、新鮮凍結標本によるバイオメカ研究に対しての予備研究や、肩鎖関節脱臼症例のデータ収集・臨床応用など、当初の予定通り着実に進展している。

今後の研究の推進方策

まずThiel法を用いた妥当性についての検討は、今後もサージカルトレーニングを通じてデータ収集を継続するほか、未固定凍結人体標本の使用も視野に入れて検討を行なっていく。
バイオメカ研究については座標設定とロボット操作の詳細について、エンジニアと更なる論議を重ねて令和6年度からデータの収集を開始していく方針である。
また肩鎖関節脱臼症例のデータ収集・臨床応用を、さらに進めていく。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度の研究で必要なものは入手しており、次年度へ繰り越し使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] The availability on the critical area of rotator cuff tear using radial MRI and the relationship with Cofield classification.2023

    • 著者名/発表者名
      Sugi A, Shibayama Y, Imamura R, Mizushima E, Tomii R, Watanabe Y, Hirose T.
    • 学会等名
      15th International Congress on Shoulder and Elbow Surgery (ICSES)
    • 国際学会
  • [学会発表] The differences of shoulder kinematics during external rotation with abduction between standing and supine postures.2023

    • 著者名/発表者名
      Sugi A, Shibayama Y, Mizushima E, Tomii R, Watanabe Y, Hirose T, Scott Banks.
    • 学会等名
      15th International Congress on Shoulder and Elbow Surgery (ICSES)
    • 国際学会
  • [学会発表] 術後再断裂予測としての肩腱板断裂面積評価とCofield分類の関連.2023

    • 著者名/発表者名
      杉 憲、芝山雄二、水島衣美、冨居りら、渡部裕人、本間美由、石谷 瞭、廣瀬聰明、寺本篤史
    • 学会等名
      第50回日本肩関節学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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