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2023 年度 実施状況報告書

網羅的肉腫抗原解析を可能とするペプチド/HLA複合体単離システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K15720
研究機関札幌医科大学

研究代表者

村田 憲治  札幌医科大学, 医学部, 特任助教 (80722454)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワード腫瘍免疫 / 骨軟部肉腫 / がん抗原 / T細胞受容体 / 腫瘍浸潤Tリンパ球
研究実績の概要

骨軟部肉腫疾患(以下、肉腫)に対する既存の免疫療法の奏効率はいまだ低く、効果的ながん免疫療法を行うためには、治療標的として有効な肉腫抗原と抗腫瘍効果の高いエフェクター細胞が必要である。悪性黒色腫患者に対する腫瘍浸潤Tリンパ球(TIL)を用いた養子免疫療法(TIL療法)は、持続的な臨床効果をもたらすことが報告されている。そして、悪性黒色腫のTILから単離されたTCRがすべて腫瘍に反応することを示されている。軟部肉腫に含まれるTILが腫瘍反応性であることも示されており、悪性黒色腫と同様に肉腫TIL由来のTCRも肉腫抗原に対して反応を示す可能性が高い。
本研究では、効果的な免疫療法の開発に向けて、新たに考案したペプチド/HLA単離システムを用いて肉腫浸潤Tリンパ球由来のTCRが反応する新規肉腫抗原を同定することである。
骨肉腫の切除検体からTILを分離して単細胞レベルでのTCRレパトアと遺伝子発現解析を行なった。CD8陽性で、PD-1や4-1BBを発現しているTCRレパトアが存在し、腫瘍を認識している可能性が高いT細胞集団であった。複数のTCRを選択し、TCR遺伝子導入T細胞(TCR-T細胞)を各々作成した。自家腫瘍細胞株を樹立できなかったため、他科家細胞株に患者HLAを単一発現させ、標的細胞を作成した。TCR-T細胞と共培養して免疫応答を確認し、陽性反応の検出を試みている。また、抗原同定の新技術開発も進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨肉腫のTILから単離したTCR-T細胞と標的細胞との共培養で、免疫応答陽性と思われる組み合わせを検出することができた。一方で、抗原同定のための新技術の確立は、問題点も多く時間を要すと考えられるが、予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

新技術の開発は、問題点を一つ一つ検証をしながら進めていく。また、骨肉腫TIL由来のTCR-T細胞と標的細胞との免疫応答が真陽性であることを確認できたら、従来のcDNA発現クローニングなども用いて、早急に抗原を同定し機能解析を行う予定である。さらに、他の骨肉腫サンプルに対して同じ解析を行い、抗原候補を増やしていく。

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公開日: 2024-12-25  

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