研究課題/領域番号 |
23K15759
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岩本 大旭 金沢大学, 附属病院, 助教 (90847245)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コーヒー / ジテルペン / カバジタキセル / 神経内分泌前立腺癌 / 前立腺癌 / ドセタキセル / カーウェオール / カフェストール |
研究実績の概要 |
進行前立腺癌の標準的な治療法であるADTは、数年はよく奏効するものの大部分の症例でADT無効となり、CRPCへと進展する。CRPCに対してはARSIやタキサン系抗癌剤が承認されているが、最終的にいずれも治療抵抗性となる。さらに、近年はCRPC後に神経内分泌前立腺癌へと進展する症例が多く報告されている。これらに対する有効な治療法はほぼなく新規治療法の開発が急務である。我々はコーヒー成分であるカウェオールとカフェストールというジテルペンが前立腺癌細胞に対する強力な増殖・遊走抑制効果を持つことを発見し、カバジタキセル耐性前立腺癌や神経内分泌前立腺癌に対しても効果が期待できることを見出した。カバジタキセル耐性前立腺癌や神経内分泌前立腺癌に対するジテルペンの効果および作用機序を解明し、新規治療法の開発に繋げることを目的とした。まず、DU145-TxRとDU145-TxR/CxRに対する増殖実験を行った。どちらの細胞株においてもカウェオール10μM+カフェストール10μM、カウェオール30μM+カフェストール30μMの48hr投与で相乗的に増殖抑制を認めた。48hr投与ではカウェオール30μM+カフェストール30μMの併用でほぼ100%のcell viabilityの低下を認め、カウェオール100μM単独もしくはカフェストール100μM単独と同等の効果を認めた。また、western blottingの結果、カウェオールもしくはカフェストールを投与することで、anti-apoptotic proteinであるBcl-2/Bcl-xlの発現が低下し、Cleaved PARPの発現が増加たまたカウェオールとカフェストールの併用でさらなる効果を認た。これらの事からアポトーシスが誘導されていることがわかった。また、ELIZAにてケモカインCCL2濃度を低下させる方向に作用していることもわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経内分泌前立腺癌細胞株であるNCI-H660の培養が安定せず、まだ実験の進行が遅れている。また作用機序についてもまだはっきりと同定できていないが、PI3K-AKTシグナル経路を重点的に調べる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在はNCI-H660の培養も安定しており、今後神経内分泌前立腺癌に対しても実験を進めていく。また、作用機序についてはPI3K-AKTシグナル経路を重点的に調べる予定である。さらに動物実験にもつなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
神経内分泌前立腺癌細胞株であるNCI-H660の培養が安定せず、まだ実験の進行が遅れていること、また作用機序の同定が遅れていることにより、費用に残額が生じた。 次年度の研究の試薬の購入などにあてる予定である。
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