研究課題/領域番号 |
23K15784
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨山 栄輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40845244)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / 免疫回避 / Ephrin type-A receptor 2 |
研究実績の概要 |
本研究は、膀胱癌の新規診断マーカーとして我々が同定したタンパクEphA2が膀胱癌の免疫微小環境に与える影響について、特に予後不良であるBasal-squamous subtype膀胱癌に焦点を当て、解明することを目的としている。当面の目標はヒトのBasal-squamous subtype膀胱癌の特徴を持つマウス由来膀胱癌細胞株BBN963株を用いてEphA2高発現または低発現株を樹立、それらを免疫正常マウス(C57BL/6)の膀胱壁に注射し同所同種移植モデルを作成し、体内での腫瘍の成長速度、組織内に浸潤する免疫細胞の数と分布、免疫チェックポイント阻害剤への反応性の違いを検討することである。現在までにEphA2ノックアウトBBN963細胞株、およびEphA2過剰発現BBN963細胞株を樹立した。さらに、in vivoでの検証に先立ち、各細胞株の特性を評価するためにin vitroでの解析を行ったところ、EphA2ノックアウトBBN963細胞では増殖能が減少し、一方でEphA2の過剰発現により増殖が促進されることが確認された。これらのin vitroでの検証結果から、EphA2は膀胱癌促進効果を持つことが分かった。現在、これらの細胞株が免疫正常マウスの体内でどの様な成長パターンを示すかどうかをパイロット実験により検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りBBN963を用いて各種細胞株を樹立しin vitroでのデータの取得が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中のパイロット試験によって得られた生体内でのEphA2高発現BBN963、低発現BBN963の増殖データに基づき、各腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害薬による介入時期を決定し、EphA2の発現の変化により免疫治療の効果がどの様に変化するのかを確かめる。ただし各細胞が生体内で予想よりも安定して増殖しなかった場合、実験に適切な細胞株の選定から行う必要がある可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行金額が異なった。
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