研究課題/領域番号 |
23K15791
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
日向 泰樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (50741279)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 尿道損傷 / 間葉 / 線維化 |
研究実績の概要 |
小児泌尿器科領域では尿道、尿管、膀胱などの再建手術に於ける合併症発症メカニズムは十分に解明されていない。特に尿道の術後組織の予後、尿道損傷後の上皮や間葉の病態については十分に解析されていない。しかしながら、臨床的には、尿道損傷後に尿道狭窄をきたす可能性があることは知られている。この様な尿道狭窄病変について、海綿体の線維化としてのspongio-fibrosisを含む、その発症メカニズムについてマウスモデルを用いての解析を行った。 損傷した海綿体に尿の尿道外漏出を起こし、対照群、損傷のみの群と経時的に比較した。IVIS Lumina imaging system(高解像度のレントゲン撮影のためのin vivoイメージングシステム)を用いて、マウスモデルの病変部の2次元構造の詳細を明らかにした。さらに、海綿体線維化の過程や程度を評価するために、α-Smooth muscle actin、Collagen1をはじめとしたマーカーを用いて免疫染色で定性的評価を行った。 尿道狭窄に関して、造影剤を用いて評価することが可能であった。これらの結果により尿道狭窄の経時的な評価、実験系が樹立されつつある。国際論文 業績として、Scientific Reports誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、治療の評価系としてのassay系の樹立に関する実験が主体であった。 マウス尿道の評価として、造影剤を用いて、尿路の描出を可能とし、免疫染色による定性的評価を行った。評価系のassay系については論文報告を行い、尿道治癒過程の評価に関しても、assay系を樹立しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度で報告した評価系、マウスモデルをさらに発展させる。2024年度は、explant culture系も応用し、尿道周辺間葉の培養系での維持、恒常性維持機構の解析を行い、さらに尿道周辺間葉の損傷後の培養による応答解析も行う。尿道損傷マウスモデルにおいて、細胞投与による治療モデルの確立も試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
投稿しアクセプトされた論文の掲載料が予想よりも安価であったため、繰越が生じた。さらに研究を推進するべく、2024年度の研究で使用する試薬などを購入する費用、論文掲載料として利用する予定である。
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