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2023 年度 実施状況報告書

子宮体癌前癌病変における発癌の予測と予防へむけた炎症誘発発癌機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15820
研究機関順天堂大学

研究代表者

吉田 惠美子  順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (90825788)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード子宮体癌 / 前癌病変 / 発癌 / メチル化 / スクリーニング
研究実績の概要

本研究はType1 子宮体癌の早期予測および発癌機序の解明を目的とするため、本年度は子宮体癌の前癌病変である子宮内膜増殖症・子宮内膜異型増殖症、正常内膜および子宮内膜癌におけるDNAメチル化パターンの比較検証のための検体収集とシーケンスを完了した。特に、妊孕性温存が必要となる30から40代前半を中心にして症例を収集した。実際に、子宮内膜増殖症2例、子宮内膜異型増殖症2症例、子宮内膜増殖症+子宮内膜異型増殖症1症例、子宮内膜異型増殖症+類内膜癌Grage1 4症例、子宮内膜増殖症+子宮内膜異型増殖症+類内膜癌Grade1 1症例、類内膜癌Grage1 2症例を収集し、SingleCell RNA解析および、炎症細胞を除く内膜細胞を用いたメチローム解析を実施した。現在全データを用いて解析を継続中であるが、中間解析の結果では、子宮内膜癌と正常内膜では異なるメチル化パターンを呈しており、また炎症に惹起されるメチル化パターンでは正常内膜類似パターンと内膜癌パターンの傾向がしさされており、増殖症におけるメチル化パターンの検証を実施する。
さらに、子宮内膜由来DNAを乾燥した月経血中から検出しえるかどうかの検証を開始した。標的DNAを加えた末梢血を用いた擬似月経血を作成したところ、常温で乾燥させた擬似月経血からも1週間以上経過後も安定して標的DNAを検出しえる可能性を確認しえた。
また、DNAメチル化は臓器特異性を示すことを利用し、検出検体として想定する月経血中への混在の可能性が考えられる卵巣腫瘍と子宮内膜腫瘍は異なるメチル化パターンを示すことが確認でき、メチル化パターンによる両者の判別の可能性も確認しえた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

探索的段階に必要な網羅的シーケンスは完了し、次年度は検証を開始可能な状況にある。

今後の研究の推進方策

①月経血を用いた月経周期依存メチル化パターンの検証
メチル化評価に用いるDNAは月経血中のctDNAもしくはcell free DNAを想定する。DNAメチル化機構タンパク遺伝子(DNMT1, DNMT3A, DNMT3B, MBD2)の発現量は月経周期に依存することから、この変化量を基準としてターゲットメチル化変化の相対評価を試みる。
②発癌関連メチル化パターンの同定とクラスタリング解析
同定されたメチル化レベルおよびそのパターンに関して解析し、炎症・増殖症・発癌に関連するメチル化変化で最も関連性の高いものを同定する。正常内膜と内膜炎、増殖症、癌で異なるメチル化パターンを検出した場合、定性的な評価への応用が考えられる。メチル化パターンが同一でメチル化レベルに差異がある場合、蓄積量の定量で発癌リスクを評価する。

次年度使用額が生じた理由

シーケンス実施が年度内に完了しなかったため、次年度の算定となったため。

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公開日: 2024-12-25  

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