研究実績の概要 |
卵巣癌が放出する細胞外小胞(EVs)を同定し、正常卵巣から放出されたEVsと比較した。卵巣明細胞癌に特異的なEVs内miRNAを6種類同定しており、早期発見のマーカーとして役立つことを確認した。また、卵巣癌において、EVs内のRNA修飾体3種類(chm5U, Cm, m1l)を組み合わせることにより、プラチナ感受性を予測するマーカーとして機能することを発見した。卵巣癌由来のEVsでは、小胞径200nm程度のものが単球に有意に取り込まれていることを確認した。また、これらの小胞を取り込んだ単球からは種々のサイトカインが有意に放出されており、転移や浸潤に影響を与えていることが示唆された。In vivoではTe-EVsを投与した個体は明らかに癌の発育が早いことを確認しており、これらの癌組織から放出された細胞外小胞を特異抗体で制御することにより、免疫機構を利用した新薬の開発に取り組む予定である。
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