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2023 年度 実施状況報告書

母体血を用いた無侵襲的出生前胎児RhD血液型診断法の臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K15847
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

高橋 健  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20569561)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードRhD不適合妊娠 / 母体血遊離核酸 / 出生前診断 / 単一遺伝子疾患 / 胎児治療
研究実績の概要

母体血中の遊離核酸を用いる無侵襲的胎児RhD血液型診断法を東アジアで臨床応用することを目標に、次世代シークエンサーを用いた高解像度・高感度の多型解析を行い、微量に混在する胎児RHD遺伝子型を正確に定量性を持って判別する手法を開発した(Takahashi K et al. Clin Chem. 2019)。この手法により、妊娠母体血中の遊離核酸を用いて、日本人をはじめとする東アジア人集団に適合した出生前胎児RhD血液型診断を可能とした。さらに臨床応用を目標とし研究を続け、プロトコールの簡便化とコストダウン、そして精度向上に成功した (Hori A, Takahashi K et al. BMC Res Notes.2021)。
臨床応用へ向けて2つの課題がある。一つ目の課題はRhD陰性妊婦のうち、抗D免疫グロブリンの投与が必要な症例数と投与不要な症例数を、理論値ではなく実数で把握することである。そのために、全国約60の施設の協力を得て、RhD陰性妊婦約1200人の周産期転帰情報を得ることができた。その結果、RhD陰性妊婦の約10人に1人はRhD陰性胎児を妊娠しており、妊娠中に抗D免疫グロブリンの投与が不要であることが判明した。二つ目の課題は、我々が開発した手法がどの程度の精度で診断できるかということである。精度向上のために胎児ゲノム率の同時測定を行う方法を新たに追加した。そしてこの改良した方法を用いて、精度評価を行うための前向き研究を全国約60の共同研究機関の協力の下で開始したところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

診断手法はほぼ完成したが、我々の診断方法の検査精度を評価するためには、実際の母体血検体を用いる必要がある。そのためには約200-300検体が必要である。この検体数をどの程度の期間で集められるのかが課題である。

今後の研究の推進方策

統計の専門家の協力を得て、我々の診断方法の検査精度を評価するための目標症例数を設定した。その結果200-300検体が必要であることがわかった。この必要数を得るための症例リクルートを継続し、解析を行い検査精度を評価する。

次年度使用額が生じた理由

解析手法の精度向上は順調に進んでいるが、統計解析等にあたり専門家の協力が不可欠なことが判明した。そのための費用が発生する見込みであり、次年度に持ち越すこととした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 周産期臨床研究コンソーシアム  臨床研究Award受賞講演2024

    • 著者名/発表者名
      髙橋健
    • 学会等名
      第60回日本周産期・新生児医学会 学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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