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2023 年度 実施状況報告書

RNA代謝異常による遺伝性網膜変性症の疾患モデル作製と網膜機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K15910
研究機関大分大学

研究代表者

八塚 洋之  大分大学, 医学部, 助教 (00812299)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードゼブラフィッシュ
研究実績の概要

RNAエキソソームは、様々なRNAを3’から5’に向かって分解・修飾する多タンパク質複合体であり、RNAの品質管理に重要な役割を担っている。このRNAエキソ
ソームを構成するEXOSC2の遺伝子変異は、網膜変性を含む神経変性疾患の原因となることが報告されおり、研究者らは、2020年度において、exosc2遺伝子を
Knockoutした疾患動物モデルゼブラフィッシュを作製し、その病態にヌクレオチド代謝バランスの異常が関連することを報告した。(Yatsuka H et
al.BBRC,2020)
exosc2 knockoutゼブラフィッシュは側弯、小頭症、小眼球症等の表現型を示し10日前後で死亡した。凍結切片のロドプシン免疫染色においては、網膜ロドプシンの減少がみられた。また、ロコモーターアクティビティは低下がみられ、Tg(CM.isl1: GFP)strain のexosc2 knockoutゼブラフィッシュを解析したところ、運動神経核の減少が観察された。exosc2 knockoutゼブラフィッシュのミエリンは形成不全と軸索の萎縮がみられた。exosc2 knockoutゼブラフィッシュのミエリン関連遺伝子のmRNAは野生型と比較し増加がみられ、反対にリボヌクレオシド三リン酸は減少していた。
研究代表者らは、当該年度において、exosc8 knockoutゼブラフィッシュの表現型を解析した。exosc8 knockoutゼブラフィッシュはexosc2 knockoutゼブラフィッシュと類似した表現型を示すことが確認された。この結果はRNAエキソソームが、網膜変性の原因となる可能性があることを示唆する結果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究者らは当該年度において、exosc8 knockoutゼブラフィッシュを作成し、その表現型や網膜機能の解析を行った。ほかの病態メカニズムにおいての未解明な部分や他のRNAエキソソーム関連遺伝子疾患動物モデルの解析が、課題として残されているが、当該年度の進捗状況としては、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

後の研究の推進方策として、下記課題に引き続き取り組んでいく予定である。
1. 各疾患動物モデル間の表現型比較。
2. 網膜の組織学的解析(網膜変性の有無、網膜各層の厚さ、性状)。
3. 網膜の電気生理学的解析(網膜電図、パッチクランプ等による電気生理的解析)。
4. RNAシークエンスによる蓄積した異常RNAの同定。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は、疾患モデルゼブラフィッシュの飼育、表現型に研究の重きが置かれ、研究費の使用は計画よりも少額となった。次年度は、疾患モデルゼブラフィッシュの生化学的な解析を計画しており、次年度使用額と次年度請求額の研究費使用を計画している。

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公開日: 2024-12-25  

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