研究課題/領域番号 |
23K15924
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森川 翔平 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10883978)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 眼内照明機器 / 強膜レンズ |
研究実績の概要 |
眼科手術において高倍率観察系は重要であり,これまで眼外からの眼内照明を備えた手術顕微鏡はほとんど存在していない.本研究の目的は眼外からの非侵襲眼内で,広範な眼内観察と低侵襲度を両立させる強膜レンズ型眼内照明機器開発である. 試作1号機はコンタクトレンズにLEDを直接貼りけて作成した.跳ね返りの光を軽減するために黒色接着剤で多い,模擬眼で実験を行ったところ,LEDの漏れ光が目立ち,またLEDゴーストが出現し視界を妨げた.そこで,LEDを基板に実装し,コンタクトレンズに装着する試作2号機を制作した.コンタクトレンズには窪みをつけるパターンも追加した. 試作2号機はゴースト対策としてLEDを極力中心の穴に近づけてマウントした.LEDの色は昼光色,白色の2パターンを用いて模擬眼で実験を行った.どちらの色も眼底画像を取得できたが,顕微鏡の種類によっては昼光色が鮮明であった.一方で,複数個載せたLEDの内,特定のLEDのみ眼底を照射していることがわかり,位置の調整が必要と考えられた.同時に豚眼での観察も行った.模擬眼と異なり,角膜の混濁なども影響した可能性があるが,眼底はかろうじて観察できる程度であった.コンタクトレンズを人眼に合わせて作成していたため,豚眼に装着する際に,角膜とコンタクトレンズの間に大きな隙間ができたことが原因の一つと考えた. 試作3号機はLEDマウントの基板を小さくしたものを装着した.模擬眼の観察は可能であったが,LED本体の光が眼底観察の妨げとなっており,光量を絞る必要があった. 以上の結果を踏まえ,より効率的にかつ観察系を妨げないLEDの位置などを検証していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の予想よりもコンタクトレンズへの光源の実装の部分において技術的に難しいことが多く,試作機を数多く作ることができなかった.また当初は摘出豚眼と模擬眼を用いて眼内観察の有効性を確認する予定であったが,眼内照明を客観的に評価できる模擬眼の制作が必要であるかもしれない.以上のことより2023年度は実臨床で使用可能なレベルのプロトタイプの完成までは至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
観察系を阻害しない試作機を開発中である.模擬眼による眼底観察で臨床レベルで有用と考えられる照明を確認した後,動物実験を用いて安全性能・毒性検証を行う方針である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コンタクトレンズへの光源実装が想定外に技術的に困難であり,それに伴い試作機の開発に時間が要し,完全なプロトタイプが完成できなかったからである.2024年度はこれまで通り試作機を作成し,動物実験まで行う予定である.
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