研究課題/領域番号 |
23K15939
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
堅田 侑作 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (40645834)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 視覚再生 / 網膜色素変性 / 進行抑制 / AAV / 遺伝子治療 |
研究実績の概要 |
本研究ではオプトジェネティクスセラピーによる視覚再生手法におけるツールの動力学が時間分解能の関係について明らかにする。 ・測定系のバリデーションと現在の視覚再生モデルマウスの解析:まず、これまで研究で作成したキメラロドプシン搭載AAVベクターを用いた視覚再生モデルマウスを用いて、その時間分解能の解析を行う。チャネルロドプシンのようなイオンチャネル型のツールはin vitroでの解析が可能だが、キメラロドプシンなどのGタンパク質刺激機能をもつ酵素型のツールは in vivoでの評価が中心となる。本年度は以下の検討を実施した。 ・多電極アレー記録:ex vivoで網膜神経節細胞の細胞外電位を得る手法で、点滅する刺激(フリッカー刺激)を行うことで神経節細胞レベルでの時間分解能を測定する。測定解析の結果、キメラロドプシンはCone opsinに類似した時間分解能を持つことを確認。また光刺激の強度によっても変調する可能性を認め、今後検討を進める。 ・視運動性眼反射測定:In vivoで縞刺激に対する応答性を測定する手法で、時間分解能・空間分解能の解析を行う。視運動性眼反射測定系を立ち上げ、フィージビリティスタディを実施。その結果視覚再生効果を確認できた。今後、詳細な特性解析を実施していく。 ・その他 モデルマウスを用いて試験系のバリデーションが取れたので、時間分解能の由来について解析するため、組織特異的プロモーターを用いたAAVベクターの製造も開始し、次の実験計画への準備も進めている。その他、計画していた画像・映像刺激の実験系も立ち上げを開始しており、今後フィージビリティスタディを実施する計画となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通り進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
モデルマウスを用いて試験系のバリデーションが取れたので、時間分解能の由来について解析するため、組織特異的プロモーターを用いたAAVベクターの製造も開始し、より具体的な視覚再生効果や回路の解析を実施していく。 また昨年度実施できなかった画像・映像刺激の実験系も実施予定である。
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