研究課題/領域番号 |
23K15976
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大塚 邦紘 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 助教 (90847865)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / シェーグレン症候群 / CD4陽性T細胞 |
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群疾患モデルマウス (SS model) を病理学的解析からCD30発現細胞の細胞種を明らかにした。加えて、CD30発現細胞は、CD4陽性T細胞が密に浸潤する自己免疫病変内に共局在し、集団間で相互作用している可能性が示唆された。そのため、SS modelに抗CD153抗体を投与すると、自己免疫病変が改善されることから、CD153-CD30相互作用が病態に重要であることが示唆された。現在は詳細な分子基盤について解析中である。 同時に、SS患者口唇腺を用いて、CD30発現細胞を解析している。その結果、病理学的重篤度を表すGreenspan gradeが高い患者ほどCD30発現細胞が増加することが明らかになり、患者病態においても重要な細胞集団であることが示唆された。現在、マルチプレックス空間解析を用いた、細胞間相互作用解析を行うことで、自己免疫病変内の免疫ネットワークの詳細を明らかにしようとしている。本研究は、徳島大学病院生命科学・医学系研究倫理審査委員会の承認を得て実施しており、開示すべきCOI関係にある企業などはない。本研究結果については、第112回日本病理学会総会、第5回 口腔医科学フロンティア研究会、第65回歯科基礎医学会学術大会、第31回日本シェーグレン症候群学会学術集会、第52回日本免疫学会学術集会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画時点で目標にしていた、CD30陽性細胞の細胞種同定や局在は既に明らかにした。さらに、CD30陽性細胞の機能解析については、現在解析中ではあるが、いくつかの候補分子は同定できており、検証実験を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
自己免疫病変におけるCD30陽性細胞の機能を明らかにする予定である。具体的には、SS modelへの中和抗体の投与やシングルセル解析による亜集団の解析を想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由1:Anti-Podoplanin antibody[PMab-1] が3月に納品となり、支払いが完了していないため。 使用計画1:Anti-Podoplanin antibody[PMab-1] の支払いが4月25日に既に完了している。 理由2:第113回日本病理学会総会が2024年3月27日~30日に開催され、学会参加費および旅費の支払いが完了していないため。 使用計画2:学会参加費・旅費ともに2024年4月17日に支払いが既に完了している。
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