研究課題
糖尿病性腎臓病は人工透析導入の最大の原因であり、糖尿病患者が腎不全に至らないように重症化予防が非常に重要である。これまでに糖尿病と歯周病の双方向の関連が広く知られているが、歯周病は慢性腎臓病のリスクにもなることも示唆されてきている。近年の疫学研究から糖尿病性腎臓病の発症に歯周病が影響することが示されつつあるものの、そのメカニズムはいまだ不明である。本研究では糖尿病性腎臓病に歯周病が与える影響について疫学的に検討するとともに、糖尿病性腎臓病モデルマウスを用いた動物実験や細胞実験を行い検証することを目的とする。これまでに、コントロール不良の糖尿病患者における腎機能と歯周病の関連について解析を行っている。また腎組織の主要構成細胞であるメサンギウム細胞と主要な歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis(Pg)菌由来のリポ多糖を用いて、高血糖培養下においてPg菌がメサンギウム細胞の形質転換、線維化を亢進させるメカニズムについて検討している。
2: おおむね順調に進展している
2023年度はすでに実施済みのヒトにおける臨床研究(コホート研究)データを解析するのと並行して、メサンギウム細胞を用いたin vitro研究を実施した。両者において一定の成果を得ており研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
今後、臨床研究データのさらなる解析や、他種類の細胞を用いた実験、モデル動物を用いたin vivo実験の実施を予定している。
研究は概ね順調に進行しているが、一部計画通り実施できていない実験があり予定使用額との差額が生じた。2024年度以降にそれら実験を行う際の費用とする予定である。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件)
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