研究実績の概要 |
口腔カンジダ症は高齢者に多い疾患であり,原因真菌の C.albicans は難治性の義歯性口内炎や誤嚥による真菌性肺炎を引き起こすことが知られている. 口腔カ ンジダ症の治療薬として「アムホテリシン B:ファンキゾン」「ミコナゾール硝酸塩:フ ロリードゲル」が用いられ、その効果は即効性があり良好な治療成績を示す.しかしADL が著しく低下した高齢者や,基礎疾患を多数もつ多疾患併存患者など,一定の患者で慢性難治性のカンジダ症となり,また高齢者においては長期の連続使用 による肝障害へのリスクや耐性真菌の問題があり、さらにワーファリンを始め併用禁忌薬も多いことから短期投与に留めざるを得えないのが現状である. 我々は唾液中ムチンのMUC7に着目し,MUC7合成ペプチドを開発することを目的として研究を行っている.これまでに臨床研究により60歳以上の高齢者における唾液中のムチン濃度を測定し,48時間後のカンジダ菌CFUの測定値との関連を調査している. 今後さらに唾液中ムチンの中でもMUC7の濃度とカンジダ菌CFUの抑制効果との関連を明らかにし,MUC7合成ペプチドの開発に繋げる予定である.
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