研究課題/領域番号 |
23K16075
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
岡野 日奈 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (80778514)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 微細hollow構造 / コバルトクロム合金 / SLS / 機械的特性 |
研究実績の概要 |
1.本研究の目的:金属粉末をレーザーにて積層する方法(Selective Laser Sintering: SLS)が急速な進化を遂げ、部分床義歯のメタルフレームワークの製作にも適用されるようになった。部分床義歯のメタルフレームワークにおいては、構成要素によって求められる機械的特性が異なる。ワンピースのフレームワークの中で、支台歯のアンダーカット域に設定されるクラスプや緩圧機構を盛り込んだ構成要素には弾性が必要であるが、大連結子のようなフレームワークの中心部分には剛性が必要である。そこで本研究は、部分床義歯のフレームワークの構成要素に最適な構造特性を付与することを目的として、SLSで付与した内部構造(微細hollow構造)がCo-Cr合金の機械的特性に及ぼす影響を検討することとした。 2.研究方法:直方体状曲げ試験片の3Dデータを①内部構造なし(以下SLS 充実型)、②内部に長辺3.5mm の正六角形を45°に組み合わせ、連続的に配列した内部構造を付与したもの(以下SLS45°ラティス型)、③正六角形を90°に組み合わせ、連続的に配列した内部構造を付与したもの(以下SLS90°ラティス型)の3条件で設計した。設計データより、金属積層造形にて試験片を製作した。 3.研究成績:試験片の質量はSLS45°ラティス型で63.8g、SLS90°ラティス型で62.2g であり、SLS充実型と比較して約40%減少した。曲げ弾性率はSLS 充実型と比較してSLS45°および90°ラティス型は約50%低下し、SLS 充実型とSLS45°およびSLS90°ラティス型間で統計学的有意差を認めた。最大曲げ強さと0.2%耐力は、すべての条件間で統計学的有意差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究環境が整い、順調に結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
微細hollow構造を付与した曲げ試験片の非線形解析を行い、内部構造を付与した際の応力や歪みの分布状況について明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)物品費とその他の経費が予定額を下回り,その差額分\1,521,227となったため,次年度使用額として生じた. (使用計画)微細hollow構造を付与した曲げ試験片の非線形解析に次年度使用額を充当して研究を遂行していく予定である.
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