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本研究の目的は、通いの場の参加者に対する口腔運動プログラムが、口腔機能、認知機能、運動機能といった全身機能に与える介入効果を明らかにすることである。 2024年度には、398名の参加者を対象として調査を実施し、これまでに得られたデータと合わせ、下記に示す成果を得ることができた.2023年8月から12月をベースライン時とし、2024年9月から12月をフォローアップ時とした歯科調査に参加し,かつ口腔運動プログラムの指導を受けた207名(男性73名、女性134名、ベースライン時平均年齢75.5歳)を対象に、ベースライン時からフォローアップ時にかけて各口腔機能の変化を評価した。その結果、口腔不潔、口腔乾燥、舌口唇運動機能、および咀嚼能率のいずれも有意に改善した。また、ベースライン時に口腔機能が低い者に限定した場合、すべての口腔機能が有意に改善した。また、オーラルフレイルと身体的フレイルとの関連を明らかにすることを目的とした分析では、オーラルフレイルは全体の40.8%に認められた。また、身体的プレフレイルは全体の55.8%、身体的フレイルは10.2%に認められた。身体的プレフレイルおよび身体的フレイルに該当した者では、健常者と比較してオーラルフレイルの有病率が高く、統計学的に有意な差が認められた。 本研究により、行政と歯科衛生士が連携して実施する口腔運動プログラムは、地域在住高齢者の口腔機能を維持・向上させる上で有効であり、全身機能にも関連する可能性が示唆された。本調査に基づく知見は、口腔機能訓練の啓発活動や支援策の構築において重要な示唆を与えるものである。
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