• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

口腔内細菌叢ディスバイオーシスが認知症に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K16168
研究機関昭和大学

研究代表者

松井 庄平  昭和大学, 歯学部, 助教 (10643702)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード認知症 / 歯周炎 / ディスバイオーシス / 口腔内細菌叢 / 精神疾患
研究実績の概要

腸内の細菌叢と精神疾患が関係している報告が増えてきている。近年、口腔由来の細菌が腸管に到達し、腸内環境を撹乱することで腸管のディスバイオーシスを誘導し、宿主の免疫異常をひき起こすことで、炎症性腸疾患やアレルギー疾患などの全身性免疫疾患を誘導するとの観測が高まりつつある。一方、精神疾患の中でもアルツハイマー型認知症は加齢に伴い急速に症状が悪化することが多いが、その詳細は不明である。また最近、口腔のディスバイオーシスが原因とされる歯周病がアルツハイマー型認知症の症状の悪化を招くとの報告がされた。本研究では、これらの点を踏まえ、口腔のディスバイオーシスによる腸管の細菌叢、全身免疫応答、アミロイドベータ等の精神疾患にかかわる血中タンパクの変化を検証することを目的とする。さらに、健全な口腔内細菌叢維持が精神疾患予防につながる基盤作りとなることを目指す。我々は口腔細菌叢の異常が腸管ディスバイオーシスの誘因となり、さまざまな精神疾患をはじめとした全身疾患をひき起こすメカニズムの解明を目標としているが、その詳細は不明な点が多い。そこで本研究ではこれらの問いを解明するために以下の点を明らかにする予定である。
● 正常マウスと認知症モデルマウスの全身の細菌叢(口腔、膵臓、心臓、腸管等)に違いが存在するのか。
● 両群マウスで免疫応答、炎症性サイトカイン等に違いがあるのか、またそれがどのように症状と相関するのか。
● 認知症患者において、口腔内環境が全身にどのような影響を及ぼすのか。
昨年度は、実験に使用する認知症モデルマウス(C57BL/6-App<tm1(NL)Tcs>、C57BL/6-App<tm3(NL-G-F)Tcs>)を決定した。理化学研究所とマウスの譲受に関する手続きを完了し、飼育をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

認知症モデルマウスの飼育、繁殖は困難であるが、想定内の計画で進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後、正常マウスと認知症モデルマウスの全身の細菌叢を解析し、口腔細菌叢の異常が腸管ディスバイオーシスの誘因となり、さまざまな精神疾患をはじめとした全身疾患をひき起こすメカニズムを解明することを目的として今後も研究を進めていく。口腔内細菌叢の構成変化と精神疾患発症の関連ついて明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響の余波を受け、当初の研究計画を遂行できておらず、研究の進捗が順調とは言えなかった。想定通りに繁殖計画が進まず、予定していた解析等が行えなかった。それにより、繰越金が生じた。今回生じた繰越金は、マウスの維持に関わる費用、モデルマウスの口腔内細菌および腸内細菌サンプルの網羅的細菌群集解析の費用、論文投稿費用等に使用予定のため、次年度請求としている。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi