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2023 年度 実施状況報告書

AI技術による骨改造アルゴリズムの最適化と革新的な歯科矯正治療支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K16188
研究機関長崎大学

研究代表者

陣内 祥男  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特任研究員 (70974335)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワード人工知能 / 最適化問題 / 歯の移動 / スライディング・メカニクス / ループ・メカニクス
研究実績の概要

装置デザインとして、第一小臼歯抜歯と診断された上顎前突症例における前歯の舌側移動および空隙閉鎖時に前歯を最終目標位置まで牽引する状況を想定し、スライディング・メカニクスではパワーアーム高さと荷重ベクトルの最適な組合せ、ループ・メカニクスではループ高さとゲーブルベンド角度の最適な組合せを決定するシステムを開発した。すなわち、完成した長期的な歯の移動シミュレーションシステムを用いて、異なる2つの治療メカニクスにおける荷重条件の組み合わせを無数に変化させた場合の前歯舌側移動のシミュレーションを行った。具体的には、最適化問題を解く手法としてCMA-ESを用いて、移動後の中切歯の位置と理想目標位置の誤差の最小化を試みた。最適化を行う関数に用いるパラメータには、中切歯抵抗中心の位置と傾斜度を用いることとし、シミュレーション結果と理想位置における両パラメータの誤差が最小となる初期荷重条件(フォースシステム)の最適な組合せを決定した。また、矯正治療患者を対象に、あらかじめ最適化した初期荷重条件の組み合わせを設定し、前歯舌側移動動態を評価するための歯列模型を対象とした、高速3次元形状計測装置を用いた形状計測システムの精度の検証を行った。CMA-ESの適用に当たり、複数のプログラミング言語(C++, C♯, Fortran, CUDA C, Python, PHP, Perl, Objective-C)を用いた、最適化アルゴリズムの設計を行い、適切な近似解を得るための計算手法について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CMA-ESを用いた最適化問題への適用に時間を要し、研究の進行に遅延が生じた。

今後の研究の推進方策

矯正治療患者を対象に、あらかじめ最適化した初期荷重条件の組み合わせを設定し、前歯舌側移動を行う。空隙閉鎖前後に作製した歯列模型を対象に、高速3次元形状計測装置を用いて形状計測を行い、シミュレーション結果と治療結果における中切歯位置(移動動態)を比較することで、本法の妥当性を検証する。

次年度使用額が生じた理由

CMA-ESを用いた最適化問題への適用に時間を要したため、歯の移動計測を行う実験系へ移行できなかったために、必要な経費の執行が行えず、次年度使用額が生じ、次年度に繰り越すこととなった。
使用計画について、歯の移動計測実験の実施を加速化させ、本年度はより多くの移動計測データを取得する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Mesial or distal to canine: Which is better for the position of closing loops? Analysis of tooth movements based on numerical simulation2023

    • 著者名/発表者名
      Jinnai Sachio、Hamanaka Ryo、Komaki Hiroya、Kuga Daiki、Yamaguchi Runa、Tominaga Jun-ya、Koga Yoshiyuki、Yoshida Noriaki
    • 雑誌名

      American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics

      巻: 163 ページ: 645~655

    • DOI

      10.1016/j.ajodo.2022.04.018

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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