研究課題/領域番号 |
23K16212
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
梶本 京子 朝日大学, 歯学部, 助教 (30880744)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 歯の早期喪失 |
研究実績の概要 |
本研究では、歯の喪失が神経疾患のリスクファクターになり得ることに着目し、若齢期である1か月齢のマウスを用いて、歯の萌出完了もない頃の歯を早期喪失したことによって若年期から老齢期に至るまでの経時的、長期的な咀嚼機能の低下が海馬など脳に及ぼす変化を明らかにし、それらが情動行動に与える影響をマウスを用いて解明する。 研究の前準備として、2023年度はモデルマウスの作成を行った。 実験方法として1か月齢のマウスを無作為に早期喪失群とコントロール群の2群に分けた。早期喪失群は三種混合麻酔下で上顎左右臼歯計6本を抜歯し、コントロール群は抜歯操作以外同様の処置を行った。その後同条件の元、それぞれの月齢まで飼育する。2023年度は早期喪失群およびコントロール群を老齢期まで飼育した。早期喪失群の食物摂取量と体重は、コントロール群と比較して有意な差は認められなかった。 検索項目として、ストレス指標である血中コルチコステロン濃度測定し、さらに情動性を多角的かつ定量的に調べることが出来るホールボードテストを行った。早期喪失群の血中コルチコステロン濃度は、コントロール群と比較して上昇していた。ホールボードテストでは、最初に穴をのぞくまでの時間(A試験)と、穴をのぞく回数(B試験)について検討した。早期喪失群のA試験は、コントロール群と比較して延長していた。また、早期喪失群のB試験は、コントロール群と比較して減少していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
経年的変化をみるためのサンプル採取が十分でなく比較検討を行えていない。現在、順次作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の実験内容に加え、歯の早期喪失による咀嚼機能の低下が引き起こす可能性がある脳の組織学的変化について検索していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はモデルマウス作製飼育がメインになってしまい、実験に使用した大型装置等も所属研究機関のものを使用し、高額な抗体代や消耗品などの出費がなかったためである。 2024年度は、2023年度同様動物作製に加え、複数の組織学的検索を行っていく予定であり、その実験には抗体代や消耗品、染色後画像データとして保存する媒体などがさらに必要になるため、前年度未使用助成金と合わせて使用していきたいと考えている。
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