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2023 年度 実施状況報告書

統合失調症患者の摂食嚥下機能・口腔機能を考慮した口腔マネジメント法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K16244
研究機関静岡県立大学短期大学部

研究代表者

松原 ちあき  静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (50960647)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード統合失調症 / 口腔機能管理 / 摂食嚥下リハビリテーション
研究実績の概要

統合失調症患者の肺炎発症率は高く、主因は抗精神病薬副作用であるが、継続した抗精神病薬の服用が必要な疾患であり、服薬調整のみの嚥下障害や肺炎の予防は困難である。高齢化が進み、生涯を通して内服が必要となる統合失調症患者では、歯科医療専門職による摂食嚥下機能や口腔を含めた管理を実施することは肺炎予防に有用である。しかし、統合失調症患者の摂食嚥下機能や口腔機能の実態や服薬以外の多面的要因と嚥下障害、肺炎発症の関連は明らかではない。そこで、統合失調症患者での口腔機能管理の在り方を検討するため、口腔機能の特徴や加齢変化の実態を明らかとすることを目的に今年度の研究を実施した。

2021年9月に精神科病院入院中の統合失調症患者のうち、歯科診療に際したスクリーニング検査受診者34名と来場型健診に参加した地域在住高齢者36名の結果をデータとして利用した。調査項目は、基礎情報、口腔環境(口腔衛生状態、口腔機能(オーラルディアドコキネシス(ODK)、舌圧))、身体機能、栄養状態とし、統合失調症患者と地域在住高齢者で、評価項目の比較を行った。統合失調症患者では、口腔衛生状態が不良であり、65歳以上の群では64歳以下の者と比べて、舌圧および下腿周囲長(CC)が有意に低かった(P<0.05)。また地域在住高齢者との比較では、統合失調症患者で有意に歯数、ODK、CCが低い値を示した(P<0.05)。重回帰分析の結果、ODKには年齢、統合失調症の存在(P<0.05)が、舌圧にはCC(P<0.05)があげられ、口腔機能低下の関連因子が異なることが分かった。以上から、高齢な統合失調症患者では、舌圧と全身の筋量の低下が認められ、口腔機能管理を行う必要性が明らかとなった。今後は対象者数を増やし、より詳細な当該情報の構築を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今までに実施した調査データとこれまでの診療業務の中で得られたデータを用いてデータベースを構築し、分析を行った。そのため、当初計画していた実態調査を実施することができた。また診療記録等から新たにデータ収集を継続して行い、口腔マネジメント法の確立に向けたデータベース構築を実施している。

今後の研究の推進方策

統合失調症患者の肺炎予防のアプローチの一助になりうる口腔マネジメント法の確立のために、さらなるデータ収集と新規対象者を含む追跡調査を実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Factors associated with the oral health status of patients with schizophrenia: A cross‐sectional study2023

    • 著者名/発表者名
      Matsubara Chiaki、Yamaguchi Kohei、Imada Ryoko、Yoshizawa Akira、Bando Yasuko、Kusaka Teruo、Furuya Junichi、Tohara Haruka
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 51 ページ: 695~702

    • DOI

      10.1111/joor.13632

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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