研究課題/領域番号 |
23K16247
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
前田 さおり 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤研究員 (10762015)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 咀嚼能率 / 口腔機能 / BNP / 心不全 / 口腔健康 |
研究実績の概要 |
わが国の心不全患者数は2030年には130万人に達すると推計されるが、口腔の健康と心不全との関係についてのエビデンスはまだ乏しい。中でも、心不全の病態を反映する心不全診断の補助マーカーである脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide: BNP)と口腔健康因子との関連については、これまでに一定の見解が得られていない。本研究は2つのコホート研究から口腔健康因子と心不全リスクおよび心機能改善因子との関連性について検討する。 令和5年度は循環器コホート「吹田研究」のデータベースから、2008年~2012年に歯科検診を受けた50歳以上80歳未満の2087名(男性883名、女性1204名、平均年齢66.1±7.9歳)を対象とし分析を行った。BNPによる心不全リスクは,日本心不全学会予防委員会のステートメント1)を参考に「極めて低/低/軽度心不全の可能性/要治療の可能性」の4つに分類した。口腔健康因子は、機能歯数、咬合支持域、最大咬合力、咀嚼能率、歯周状況、歯科受診状況について評価した。BNP4群における各口腔健康因子の良好群/不良群の割合を算出し、分布の比較を行った結果、咀嚼機能関連因子とBNP値との間における有意な関連が認められた。 また令和5年度は心不全と認知症コホート「吹田研究NEXT」のベースライン調査のデータについて、口腔健康因子と心不全リスクおよび心機能改善因子との関連性について分析を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は吹田研究の分析と吹田研究NEXTのデータ集積および分析を行う予定であり、現在まで順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は2つのコホートの分析を同時並行で進め、学会・論文発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で一時的に受診者数が見込み数より減少し、その分材料購入をしなかったため次年度使用額が生じた。また、学会への参加を見送ったため次年度使用額が生じた。次年度以降、学会参加する際に使用する予定である。
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