研究課題/領域番号 |
23K16289
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡部 純 自治医科大学, 医学部, 助教 (50910949)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 地域 / 消化器がん / オステオペニア / 体組成 / 骨密度減少 / リンパ節転移 / 予後 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、多施設共同過去起点コホートとし、①研究フィールドは栃木県内の主要な消化器がん手術病院を計画することと、②消化器がん術前の患者レベルの予後不良因子について調査する③消化器がん術前オステオペニアにおける術前放射線療法やビタミンD、カルシウム、およびビスホスフェート、抗骨粗鬆症薬の使用、リハ ビリテーション、栄養療法、術後補助化学療法などと予後との関係を評価することである。 研究1年次(2023年度)の主な目的は、①ー③を実施するために、倫理委員会の承認とデータベース構築②患者レベルの予後不良因子について調査することであった。研究1年次(2023年度)の主な成果は以下の2点である。 ・倫理委員会の承認を得て、データベース構築を進めている。しかし、現在の研究実施施設は2施設に留まり、他の県内の医療機関の研究参加について進めているところである。 ・消化器がんの予後不良因子について調査する関連する研究として、T1結腸癌患者において、組織型分類を海外で主に使用されている最低分化度と日本で主に使用されている主要分化度のどちらが良いかを41,290人の患者を対象とした42件の研究で系統的に示した。最低分化が主要分化よりも高い感度を有し、一方、主要分化が最低分化よりも高い特異性を示すことを実証した。最低分化度の使用は、本当はリンパ節転移陽性症例を陰性と誤分類するリスクを軽減する可能性が1%あるが、主要分化度は不必要な手術を防ぐ可能性が3%あるというトレードオフの関係であることを初めて示した。この調査結果は全体として、臨床医、患者、病理学者、政策立案者が、患者の健康転帰と医療システムの経済的持続可能性のバランスをとりながら、組織型の分類の選択について話し合う必要があることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1年次(2023年度)の主な目的は、①ー③を実施するために、倫理委員会の承認とデータベース構築であった。倫理委員会の承認を得たが、初めての多施設共同研究となるため、各施設の調整に難渋しており、現在の研究実施施設は2施設に留まっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年次(2024年度)の主な目的は、データ解析である。しかし、引き続き研究の意義や目的などについて共有し、県内の他の医療機関の研究参加についてまずは進める。また、現在の研究実施施設は2施設のデータベース構築を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施機関の参加数が予定よりも少なくなっているため、必要物品の購入が遅れており、データベース作成のための人件費に生じる金額が発生していないため、次年度使用額が生じた。実際に研究実施機関となってくれる協力機関に赴き、研究ミーティングの機会を増やし、研究参加機関を増やす。また、研究参加機関を増やし、データベースの作成を進める。
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