研究課題/領域番号 |
23K16322
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯高 世子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80800680)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 変形性股関節症 / 疫学指標 / 要介護 / コホート |
研究実績の概要 |
運動器疾患による要介護予防を目的とした大規模住民コホート研究Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability (ROAD)のデータを用いて、疼痛や歩行障害の原因となり、著しく高齢者のADL、QOL低下をもたらす変形性股関節症(股関節OA)における20年という長期にわたる住民追跡データを完成し、それを用いて股関節OAの発生率、増悪率、有病率の長期トレンド、危険因子・防御因子を解明することを目的として本研究を開始した。 事前準備として、2022年度に山村部における681名(男性231名、女性450名、平均年齢68.4歳)の追跡調査(第6回調査)を完了した。本追跡調査では、股関節X線検査に加えて、脊椎・膝関節等X線検査、骨密度、筋量、筋力、運動機能等の検査、生活歴、ADL、QOL、認知機能、既往歴、職業歴、転倒などを含めた問診票調査、栄養調査(BDHQ)、整形外科専門医による臨床情報、血液・尿検査などの多岐にわたる調査を実施した。 研究1年目である今年度は、ROADスタディの漁村部でのコホート追跡調査(第6回調査)を実施した。山村部で行った上記と同様の調査を行い、1,449名(男性469名、女性980名)の参加者を得た(要介護情報等の簡易問診票のみの参加含む)。その内、1,153名(男性375名、女性778名、平均年齢64.8歳)は現地での調査に参加いただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りROADスタディの漁村部でのコホート追跡調査を完了することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず第6回調査の結果から股関節OAをはKellgren Lawrence分類を用いて診断を行う。他部位(膝、脊椎、手、足)のOAについても診断を行う。骨密度、筋量測定結果、歩行速度測定などの結果の解析から骨粗鬆症、サルコペニアについても有病を把握する。 さらに各検査結果のデータ入力を行い、過去5回分の膨大なデータとのデータリンケージを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に実施した山村部調査の際に使用した物品が、今年度の漁村部調査においても使用可能なものが多くあり、それらを使用することで、物品費を安く抑えることが出来たため、次年度使用額が生じた。 使用計画)追跡調査参加人数は当初予定より200人程多く、データ入力、解析により費用が発生するため、次年度に使用する。 本研究計画全体の進捗に変更はない。
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