研究課題/領域番号 |
23K16327
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日高 優 京都大学, 医学研究科, 講師 (80884311)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 特徴量重要度 / 予測モデル / 臨床データ |
研究実績の概要 |
本研究では,非構造的臨床データを用いた臨床ガイドラインに対する新たなリスク因子の検討において,特徴量重要度を正しく評価する手法を確立し,実データを用いてその有効性を検証することを目的とする。令和5年度は文献検討を行い、現在使用されている特徴量重要度についてレビューし、先行研究で指摘されている特徴量重要度の問題点を整理した。その結果、本研究の目的とする臨床ガイドラインの予測モデルを再構築した際の特徴量の重要度を検討するものとしてはLOCOが定義に合致していることを確認した。そして、現在は統計ソフトに実装されているPFIとGIが主に用いられており、LOCOは医学研究で用いられた実例が少ないことが分かった。また、LOCOもPFIと同様に、特徴量同士に相関がある場合に特徴量重要度にバイアスが入ることが指摘されていることが分かり、先行研究で検討されている現象について、モンテカルロシミュレーションを行って確認した。その過程で、LOCOはPFIと比較してアルゴリズムのランダム性により数値のばらつきが大きいことが明らかになり、現在詳細を検討している。さらに、より複雑な臨床データを想定し、希少疾患や有害事象の発現を検討する研究において問題となる、予測したい事象のサンプルサイズがごく少数となる不均衡データに対する検討も進めている。医療データにおける不均衡データに適応する予測モデルの構築方法について実データを用いて検討しており、次年度に学会発表予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後休暇および育児休業を取得し、一部の研究活動を行うことが出来なかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
医療データを解析する際に遭遇する複雑な状況を想定したシミュレーション実験を続けて行い、医療データにLOCOを適応する際の問題点を明らかにし、その改良点を検討する。 また、本研究では実データを用いた検討も計画しており、研究協力予定の臨床医とともにデータの準備を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度に産前産後休暇および育児休業を取得し、交付金を使用することが出来なかった。令和6年度は、令和5年度に使用予定である計画に沿って使用する予定である。
|