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2023 年度 実施状況報告書

ライフコースアプローチを用いた、成育環境が小児の健康に及ぼす影響の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K16329
研究機関岡山大学

研究代表者

松本 尚美  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (90882861)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード疫学
研究実績の概要

COVID-19パンデミックが小児の慢性疾患発症に与えた影響についての知見はまだ不十分であった。そこで全国規模の電子カルテデータを用いた研究を行い、COVID-19パンデミックと思春期の精神疾患発症についての論文1編を上梓した。この研究では、パンデミックによる全国一斉休校や社会的距離の持続が子ども達の精神に与えた影響について、年齢別、性別に描出し、今後の児童思春期精神科臨床や政策への示唆を見出すことができた。
COVID-19パンデミックに伴う感染症減少や社会的距離の持続は他の小児慢性疾患発症にも影響したと推察される。そこで、今後NDBデータを用いて対象疾患を広げ、新型コロナウイルス感染症の5類以降も考慮して、さらなる長期的な経過を解析する予定としており、目下データ申請準備中である。
また、厚生労働省の21世紀出生児縦断調査と日本産婦人科学会の周産期データベースをリンクさせ、周産期の曝露(帝王切開や体外受精による出生)が児の長期予後(未就学期の入院リスクやアレルギー疾患罹患リスク、小児期の発達)に影響するかどうかを検証した。これらのトピックスについては一般及び臨床医からの関心が高いにも関わらず、これまで検証が不十分であった。既報にないアプローチで、早産を媒介因子として本邦の大規模データを用いて行った当該研究結果は、社会的に大きな意義を持つ。本テーマについては論文2編を投稿中である。更に論文1編についても投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1年目で論文1編を出版、2編を投稿することができ、ひきつづき関連研究仮説を解析中である。

今後の研究の推進方策

厚生労働省の21世紀出生児縦断調査を用い、社会格差が子どもの健康に与える影響について解析中である。また、これまでの研究をさらに発展させ、NDBデータを用いることでより希少な疾患への感染症の影響なども検証を予定している。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度にパソコン購入にかかる費用を計上予定だったが、保有しているパソコンにてまかなえたため、またデータ取得手続きに時間を要したため、次年度使用額が生じた。令和6年度には当初予定よりも2本以上多く論文投稿予定があるため、その費用、および対象疾患を広げるためにNDBデータ取得を検討しており、データ取得費用とその際にかかる設備費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Longitudinal impact of the COVID-19 pandemic on the development of mental disorders in preadolescents and adolescents2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Naomi、Kadowaki Tomoka、Takanaga Satoe、Shigeyasu Yoshie、Okada Ayumi、Yorifuji Takashi
    • 雑誌名

      BMC Public Health

      巻: 23 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s12889-023-16228-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] COVID-19流行下における小児科日常診療への影響の解析 ~分断時系列解析を用いた診断数の変化の検討~2023

    • 著者名/発表者名
      松本尚美 , 門脇知花 , 高永都衣 , 頼藤貴志
    • 学会等名
      日本小児科学会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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