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2023 年度 実施状況報告書

血液透析患者におけるQT延長の発生・要因・予後への影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K16353
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 彰  京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00749129)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードQT interval / Hemodialysis
研究実績の概要

採択時に使用することを想定していたデータが入手できず、別のデータを用いて研究を行う方針とした。2022年5月より採択時には想定していなかったデータを入手した。同データを用い、血液透析患者の血清カルシウム、血清リンとQT時間の関連を検証し、2022年7月に論文誌筆・雑誌投稿を開始した。2024年2月、同論文がKidney International Reports誌から受理された(Association Between Disturbed Serum Phosphorus Levels and QT Interval Prolongation、https://doi.org/10.1016/j.ekir.2024.03.007, In press)。同論文では、①血液透析患者でQT時間が多いこと、②血液透析患者のQT延長の一因として、低Ca、低・高Pが関連している可能性が示された。低CaとQT延長の関連は既知のものであったが、これまでに認識されていなった血清PがQT時間に寄与することが示された点で新規性があると考える。
また、血液透析患者のQT時間延長と心血管予後の関連を検証・論文化し、現在投稿中である。同論文では、血液透析患者におけるQT時間の延長は、心血管イベントを増やすことが示された。このような知見は、これまでに小規模の観察研究で示されていたが、同研究のような比較的対象数が多い研究でも同様の結果が得られたことは意義があると考える。
血液透析患者の鉄動態とQT時間の関連に関しては、現在解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

採択時に使用する予定であったデータは使用できなかったが、別データを用いデータ元の規定に沿って研究を進めることが出来ている。本研究では、血液透析患者におけるQT時間および非透析慢性腎臓病患者におけるQT時間に寄与する因子を検証する予定であるが、非透析慢性腎臓病患者を対象にした研究のデータとして想定したUK Biobankに含まれる情報が本研究を行う上で不十分である事がわかり、現在、新規にデータを収集する方針としている。

今後の研究の推進方策

QT時間と腎血管予後の関連を検証した研究の受理を得る。
血液透析患者における鉄代謝とQT時間延長の関連を検証する研究の解析を終了し、論文執筆・出版を目指す。
非透析慢性腎臓病患者のQT時間に関する研究に必要なデータを取得し、研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

UK Biobankのデータを使用する予定であり、その使用額が概算で600,000円であったが、データに含まれる情報が本研究を行うために不十分であったため当該データを使用しない方針となった。次年度以降に新規に使用に適したデータが見つかり、データ使用量が発生することを想定している。

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公開日: 2024-12-25  

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