研究課題/領域番号 |
23K16380
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉山 祥子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00836174)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 看護師 / 裁量 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、看護師が実践の責任を果たすためには、診療の補助における看護師の裁量をどのように拡大すれば良いかを明らかにすることを目的とし、診療の補助における看護師の裁量の拡大に対する認識やその必要性を帰納的に明らかにする。当該年度は、診療の補助(医行為)における看護師の裁量について検討するため、看護師の裁量に関する文献および行政資料を収集した。収集した文献および行政資料を検討しているが、看護師が診療の補助としての医行為を最終実施者として実施する場面が多種多様であるため、それらの場面における看護師の裁量をどのように解釈する必要があるのか、検討に時間を要し難航している。加えて、医師の働き方改革に向けたタスク・シフト/シェアに伴い、看護師の診療の補助における業務範囲も拡大しつつある。臨床において、特定行為研修を修了した看護師の関わりが、患者の転帰に影響を与えている研究は増えているが、いずれの研究も診療の補助行為に関する看護師の裁量や責任について言及していない。医師からの指示で実施している診療の補助としての医行為に関する看護師の裁量については、その行為における看護師の責任と裁量との連関を慎重に解釈する必要が示唆された。 加えて、看護師の診療の補助行為における裁量を検討するにあたり、裁量と近似している看護師の権限、看護師が果たすべき義務、看護師が考慮すべき倫理的配慮などについても併せて検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師が診療の補助としての医行為を行う場合、医師法と保健師助産師看護師法が関連している。そのため、看護師が診療の補助の最終実施者としての規定について法的な視点から情報を整理しする必要があるが、法学的な解釈をするための知見を収集することに時間を費やしているため。
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今後の研究の推進方策 |
収集した文献および行政資料を検討し、看護師が診療の補助としての医行為を最終実施者として行う場合の課題を抽出する。抽出した内容を踏まえて、調査時のインタビューガイドを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
収集した文献および行政資料の検討に時間を要しており、研究が滞っている。そのため、次年度に調査時の交通費や対象者への謝金の支払い、情報収集のための学会参加費を繰越す必要が生じた。
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