研究課題/領域番号 |
23K16417
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研究機関 | 中京学院大学 |
研究代表者 |
吉田 彩 中京学院大学, 看護学部, 講師 (10440249)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 在宅 / がん / 看取り / 介護者 / プログラム開発 / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
がん療養者は死の数週間前に症状増悪と日常生活動作の低下が生じるため、介護者にとって在宅での看取りの負担は大きい。先行研究では在宅がん療養者を介護した家族への調査から、家族の心身を犠牲にせず納得する看取りに至るには、看取り期の変化に対処できる介護への適度なコミットメントが必要であることを明らかにした。これを基に家族の介護への適度なコミットメントと療養者の看取り期の変化への対処を支援する看護援助プログラムを作成し、臨床で試用し部分的な内容の検討と修正を行った。本研究の目的は、作成した看護援助プログラムの内容をさらに検討・修正し有効性を評価することである。 看護援助プログラムの修正のための新たなデータ収集に先立ち、修正の方向性を検討した。プログラムを使用する訪問看護師の負担を軽減するために、プログラムの核となる部分を同定し看護援助記録用紙の内容を最小限にする必要があると考えた。そのため、プログラムを試用した1事例について対象者の介護へのコミットメントに焦点を当てた論文を学会発表しピアレビューを得ることとした。国際公衆衛生緩和ケア学会(8th Public Health Palliative Care International Conference)に抄録を投稿し採択を得たため2024年10月に発表する。また、分析手法である複線径路等至性アプローチ(TEA)についての最新の文献とTEAを用いた先行研究の検討を行った。その結果、新たに収集するデータの分析では看取りの時期の介護者の対処を「発生の三層モデル(TLMG)」で分析する研究計画を立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は看護援助プログラムの試用と看取りを経験した介護者への調査を予定していたが、プログラム修正の方向性の検討と学会発表の準備を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
Public Health Palliative Care International Conferenceにて対象者の介護へのコミットメントについての分析を発表しピアレビューを得ることを通して、プログラムの核となる部分を同定するための検討を行う。また、欧米の在宅緩和ケアの知見を検討しプログラムの修正につなげる。さらに、看取りを経験した介護者への調査を行いプログラムの核となる部分の同定を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護援助プログラムの試用と看取りを経験した介護者への調査を予定していたが、プログラム修正の方向性の検討と学会発表の準備を行ったため次年度使用額が生じた。次年度は看取りを経験した介護者への調査を行うため、謝金、テープ起こし料、交通費等を使用する計画である。また、学会の参加費、旅費等を使用する計画である。
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