研究課題/領域番号 |
23K16426
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
宮永 葵子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (80782367)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 局所陰圧閉鎖療法 / ケアガイド / 患者 / 医療者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、創傷治療を専門としない多くの看護師・医師が混乱することなく、患者に適切なケアを実施することができるよう、局所陰圧閉鎖療法を受けた患者と、管理・ケアに精通した医療職者の知識や対処法を統合したQOL向上のためのケアガイドを作成することである。2023年度の研究計画は、患者ケアの参加観察と看護師・医師へのインタビュー調査であった。北陸地区で局所陰圧閉鎖療法の症例数が最も多い金沢医科大学病院の形成外科で行われるケアの参加観察を行った。局所陰圧閉鎖療法は、主に糖尿病の合併症により足部に潰瘍のある患者に対して行われており、V.A.C.やRENASYSが使用されていた。陰圧閉鎖療法により、手術療法前に創底環境を整え、感染をコントロールする目的で行われていた。ケア観察時に医師からの聞き取りを実施し、陰圧をかける時の空気漏れがないようにあらかじめ創周囲の皮膚にフィルムドレッシング材を貼付し、その上からスポンジとフィルムドレッシング材でパッキングし陰圧をかける工夫をしていること、陰圧閉鎖療法が足部の場合は身体可動性を障害しないように、陰圧チューブが軽くフレキシブルな素材であるRENASYSを使用すること、足趾など細かい部位には粘着力の高い貼付剤を用いることなどの工夫がされていた。今後は、陰圧閉鎖療法に精通する医師・看護師また陰圧閉鎖療法を受けた経験のある患者にインタビューを実施し、どのような課題があり、どのように対処しているかを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年年始に能登半島地震が発生し、予定していたインタビュー調査ができなかった。しかし、ケア参加時に医師から聞き取りができていたため研究計画はおおむね順調に進んでいるといえる。2024年度の計画に医師・看護師、患者へのインタビューを追加し進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、専門チームによるケアガイドの作成と教材の開発である。地震の影響により、医師・看護師、患者へのインタビューが実施できていないため、2024年度の計画に追加する。まずは、医師・看護師また陰圧閉鎖療法を受けた経験のある患者にインタビューを実施し、どのような課題があり、どのように対処しているかを明らかにしていく予定である。そして、そこからアセスメント方法、処置方法、被覆材の交換方法などのケア場面の写真・動画撮影を行い(必ず患者に撮影の同意を得る)専門医、認定看護師のアドバイスを受け、学習教材を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたインタビュー調査ができなかったため、謝礼品費、外注費(逐語録)の使用が行えず、未使用額が生じた。2024年度は、謝礼品費、外注費(逐語録)、学会旅費、学会参加費に使用する。
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