研究課題/領域番号 |
23K16438
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
長谷川 貴昭 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20798524)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | がん疼痛 / 緩和ケア / がん看護 |
研究実績の概要 |
進行がん患者のがん疼痛有症率は約70%と高く、キードラッグのオピオイドが普及した現在も約30%の患者の疼痛コントロールは不良で、生活の質を低下させる。有効なオピオイド治療を提供するためには、オピオイドの十分な副作用管理が重要であるが、外来を含めて支援は普及していない。本研究ではオピオイドの副作用管理や、より管理が困難なオピオイドであるメサドンを安全に導入するため支援等の研究に取り組み、看護師によるオピオイド使用や副作用管理をタイムリーにかつ構造化された形で遠隔支援(電話とチャット機能等)プログラムとして開発することを目的とした。本年度は、通常のオピオイド治療で効果不十分な患者を対象にメサドンを安全に導入するための前向き観察研究を19名の患者を対象に行い、効果と安全性について予備的に検討した。対象に関しては、外来患者を含め、治療方法としては既に使用している通常のオピオイド製剤からメサドンへ完全に変更することなく、既に使用しているオピオイドを継続あるいは減量しながら少量のメサドンを併用することとした。結果、鎮痛の奏功割合が68.4%(95%信頼区間43.4-87.4)で、眠気や嘔気、便秘などの副作用は出現したものの、管理可能な範囲であり、副作用中止に至った患者はいなかった。次年度以降は、副作用予防、副作用出現時の対応について、支援方法の具体化、患者データの収集方法の検討などについてさらなる研究を継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定してた観察研究を完了し、論文投稿を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
副作用管理に対する支援方法に関して多職種で検討し、実現可能なものを検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降で行う調査研究において必要になったため。
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