研究課題/領域番号 |
23K16444
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
木全 明子 目白大学, 看護学部, 助教 (40714291)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | AYA世代 / がんサバイバー / 情報支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①AYA世代がんサバイバー向け情報支援サイト(以下、本サイト)の効果をミックスメソッドで検証し、評価方法および評価指標を確立する、②研究成果に基づき新たな仮説を構築する、③情報支援が十分であるかどうか検証し、より効果的なサイトとなるように再改訂を行うことである。社会的意義としては、AYA世代がんサバイバーの情報支援における地域格差の解消に繋がり、サバイバーシップケアの充実に貢献することが期待できる。 本研究は先行研究で開発に従事した、本サイトの効果をミックスメソッドで検証する第一段階、サイトを再改訂する第二段階で構成される。2023年度は研究初年度として、第一段階に向けた準備を遂行した。具体的内容として、研究班会議による専門家およびAYA世代がんサバイバーの意見聴取、サイト評価方法および評価指標に関するレビュー、研究計画の洗練、インタビューガイドの作成、本研究専用サイト構築および倫理審査の準備を進めてきた。 サイト評価方法および評価指標に関するレビューは、医中誌Web、Cochrane Libraryを用いた文献検索、国内外のAYA世代がん情報を含む既存サイトの報告書、e-Health centerの掲載論文をレビューした。レビューの結果、既存サイトの評価指標はユーザー数、ページビュー数に留まっており、サイトがユーザーにもたらす効果に関する評価指標は見当たらなかった。Monitoring and evaluating digital health interventions(2016)を参考に、本研究は独自の評価方法および評価指標の設定とした。加えて、AYA世代がんサバイバーおよび専門家(医療・看護・心理・社会分野等)で構成される班会議での研究方略の再検討、患者団体に所属するAYA世代がんサバイバーへのヒアリングを重ね、本研究専用サイト構築および倫理審査に向けた準備を遂行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度から2024年度にかけて、前述の本研究目的①を達成する予定であったが、ミックスメソッドによる検証が未実施である。理由としては、患者団体に所属するAYA世代がんサバイバーを対象として慎重なヒアリングを重ね、研究計画書の洗練、本研究専用サイトの構築および倫理審査の準備に時間を要した。次年度は本研究目的①の達成に向けて、ミックスメソッドによる調査を確実に遂行する。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、前述の本研究目的①の達成に向けて、本サイトをミックスメソッドで検証し、AYA世代がんサバイバーの情報ニーズ、セルフ・エフィカシー、ウェルビーイングに対する効果を明らかにする。2025年度以降は本研究目的②③の達成に向けて、本研究成果に基づき、先行研究で構築した概念枠組みを再検討する。また、本サイトは各臨床経過にあるAYA世代がんサバイバーへの情報支援が十分であるかどうか検証する。さらに、コンテンツの拡充、再改訂を行うことにより、ユーザーにとってより役立つサイトの発展に寄与する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、前述の本研究目的①の達成に向けて、ミックスメソッドによる調査の遂行を想定し、計上していた。しかし、調査の遂行が遅れたため、次年度使用額が生じた。2024年度は調査の遂行に必要となる専用サイトの構築、研究対象者への謝礼等を執行予定である。
|