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2023 年度 実施状況報告書

家族不在の中で患者の意思をくみ取る看護師のコロナ禍での実践知に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K16455
研究機関浜松医科大学

研究代表者

影山 葉子  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50566065)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード家族看護 / 意思の推定 / 意思決定支援 / 実践知 / 質的記述的研究
研究実績の概要

COVID-19感染拡大防止対策として行われた病院や施設での「面会制限」は、患者とその家族、そして医療や介護の従事者に大きな影響を与えた。特に意識障害や認知機能障害等によりコミュニケーションが困難な患者の場合、患者の意思の推定や代理意思決定に家族は重要な役割を果たすため、面会制限によって家族に会えないことは、看護師にとっても大きな問題となっていた。本研究の目的は、コロナ禍の面会制限による家族不在の状況の中で、看護師がどのようにして患者の意思をくみ取っていたのかを明らかにすることである。
1年目の今年度は、コロナ禍の面会制限が患者の意思決定にもたらす影響について先行文献のレビューを行った。また、COVID-19感染拡大以前よりみられていた世帯人員の減少や婚姻や血縁、性別等にとらわれない多様な家族といった家族のかたちの変化が、患者の意思の推定や代理意思決定に及ぼす影響も考慮し、看護師の家族のとらえ方についても先行研究や学会参加等によって情報収集を行った。
コロナ禍の面会制限がもたらした影響としては主にマイナス面の影響が報告されているが、本研究では、今までにない経験をしたことで既存のフレームを調整しながら培われた看護師のコロナ禍の実践に着目しながら、次年度以降のインタビューにてデータ収集を行っていく。性と家族の多様性をふまえ、看護師がどのような人のことを家族ととらえているのかにも配慮しながらインタビューを行い、ポストコロナ社会を見据えた研究成果につなげていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年目に倫理審査を終えている計画であったが、先行研究のレビューやインタビュー内容に関する情報収集に時間を要し、まだ審査の申請準備ができていない。早急に必要書類を整えて申請を行っていく。倫理審査で承認が得られた後に研究協力者のリクルーティングを行い、2年目終了時にはデータ収集を半分程度は進めておくようにする。

今後の研究の推進方策

研究協力者のリクルーティングがスムーズに進むように研究協力施設等の情報収集をしておく。またインタビュー内容についても、臨床の看護師や認定看護師、専門看護師、家族看護学や質的研究の専門家等からアドバイスをいただく。これまで行ってきた先行研究のレビューや関連する研究について学会発表や論文執筆も計画しているが、まずは本研究課題のデータ収集に早く取りかかれるように倫理申請を優先する。

次年度使用額が生じた理由

倫理審査の申請準備ができなかったため、審査に必要な研究計画書やインタビューガイド等のついてのアドバイスを受けるための旅費が生じなかったこと、関連文献の収集が十分に行えなかったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。次年度使用額については、次年度に調査を開始する前に行う倫理審査申請の準備のために使用予定である。調査開始後はデータ収集に必要な交通費とインタビューデータのテープ起こし委託料が必要になるため、これらの経費が次年度に請求した助成金の主な使用予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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