研究課題/領域番号 |
23K16501
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
萬屋 京典 星城大学, リハビリテーション学部, 講師 (60908317)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | デジタルゲーム / 高齢者向け住まい / 認知機能 |
研究実績の概要 |
2023年度は,高齢者向け住まいの入居者5名の認知機能を対象として,デジタルゲームの実現可能性と効果の可能性を多層ベースラインシングルケースABデザインにより検証した.各対象者の認知機能は記憶(単語および数字),視空間能力,ワーキングメモリ,判断,全般的認知機能の6項目を週1回,16回測定し,ベースライン期(A期)とデジタルゲーム介入期(B期)の経時的変化を比較した.対象者はそれぞれ5つのA期 (5 ~ 9 週間(B期は10~6週間で合計15週間))にランダムに振り分けられた.ゲームは個別で実施した. 5名の内1名は退居され,分析は4名の入居者で行った.グラフを視覚的に確認すると,数字の記憶,単語の記憶,視空間能力,および全般的認知機能に関して,ほとんどの層で介入後の改善が認められた.それらの効果は,ベイズ統計によるマルチレベルモデリング解析でも同様に有意であった.本研究結果は,デジタルゲームの使用が高齢者向け住まいの入居者の認知機能の維持および改善に効果的である可能性を示唆していると考えられた.本研究成果は,2023年度中に論文化し,国際誌へ投稿した. 2024年度では,より多くの高齢者向け住まいの入居者を対象として,ランダム化並行群間比較試験を実施する予定である.介入とアウトカムは2023年度の多層ベースラインシングルケースABデザイン研究と同じものを使用する.対象者は複数の施設の協力を得てリクルートされる予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インフルエンザおよび新型コロナウイルス感染症の影響により,各施設での打ち合わせ日程に遅れが生じている.少しずつ進められているが,今後も進捗の遅れが生じる可能性はあると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
必要に応じて協力施設を増やすことも検討する.すでに了承いただいている施設に関しては,実施可能となり次第すぐに進められるように必要物品などの準備をしておく.
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次年度使用額が生じた理由 |
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の影響により,施設の打ち合わせに遅れが生じた.そのため,物品などの準備が行えなかった.
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