研究課題/領域番号 |
23K16557
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
谷川 広樹 藤田医科大学, 保健学研究科, 講師 (90705013)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 痙縮 / 中枢神経疾患 / 足関節底屈筋 / iQMoS |
研究実績の概要 |
痙縮は上位運動ニューロン症候群の1つであり、伸張反射増強の結果として深部腱反射亢進を伴って生じる、他動伸張時の速度依存性筋緊張亢進である。 痙縮の発現メカニズムは明らかになっていないが、多くの中枢神経疾患患者に認められ、発症後の経過とともに重症化する例が多く、リハビリテーション医療にとって痙縮の程度を的確に、経時的に把握し治療することは重要である。本研究の初年次目的は、我々が開発した、異なる2種類の角速度(5度/秒、300度/秒)で他動的に足関節背屈を行った際の抵抗値を記録する機器(iQMoS)を用いて、痙縮軽減効果が明らかとなっているボツリヌス治療前後で痙縮の程度を測定し、その効果を定量的に示すことである。 足関節底屈筋に痙縮を認め、ボツリヌス治療が実施された中枢神経疾患患者20名が対象として集められた。ボツリヌス治療前後で身体機能評価を行い、主な評価指標は、iQMoSによる抵抗値、副次的な評価指標としてModified Ashworth Scaleを使用した安静時筋緊張、他動的足関節可動域、アキレス腱反射とした。いずれの評価指標でもボツリヌス治療の効果が確認できたが、ボツリヌス治療前後でiQMoSによる抵抗値は軽減し、また先行研究で示された最小可検変化量以上の変化が確認できた。これらにより、 ボツリヌス治療の痙縮軽減効果がiQMoSを使用することで定量的に示された。 ただし、当初予定していた症例数よりも集められた症例数が少なく、様々な病態の患者をまんべんなく集められたとは言い難い。そのため、次年度以降も同様に症例募集を行い、検討を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定数よりも集められた症例数は少なかったものの、検証可能な症例数は集められたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は3年計画のうちの2年目に予定していた課題の検証に進むが、引き続き初年度の検討内容の選択基準に該当する症例が研究への参加を希望した場合、実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費(記録/解析用コンピュータ、測定機器の整備など)の支出を次年度に持ち越したため。次年度には支出がある予定。
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