研究課題/領域番号 |
23K16562
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研究機関 | 神戸国際大学 |
研究代表者 |
中西 亮介 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 講師 (60807238)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 毛細血管 / 高脂肪食 / 交流磁気刺激 / 肥満 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は肥満に伴う骨格筋の毛細血管障害に対して筋収縮を伴わない60Hz交流磁気刺激を照射することで予防効果を明らかにすることである.2023年度は肥満モデル動物に対して(C57BL/6マウスに16週間高脂肪食(60%脂肪含有食)を与え肥満モデルを作製)8時間の60Hz交流磁気刺激を照射することで精巣上体脂肪量や体重を減少させることが明らかになった.このことから,交流磁気刺激は脂肪量を減少させることで肥満抑制効果があることが明らかになった.さらに,本介入後に骨格筋(腓腹筋内側)を取り出し,RNA抽出を行った.その後遺伝子発現量の解析を行ったところ肥満モデル動物は炎症性サイトカイン(TNF-αやインターロイキン6)mRNA発現が増加することが明らかになった.この炎症性サイトカイン(TNF-αやインターロイキン6)は血管障害に大いに影響をあたえることが知られていることから,肥満は炎症性サイトカインの増加を介して血管障害を誘発している可能性を示唆している.一方で,交流磁気刺激を照射することで腓腹筋内側の炎症性サイトカインの発現が低下することを明らかにした.これらのことから8時間の60Hz交流磁気刺激は炎症性サイトカインを抑制することで血管障害を予防する可能性があることが明らかになった.次年度は毛細血管の量的および質的解析を行い,毛細血管障害に対する予防方法としての妥当性を検証していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3年計画で実施される予定で,2023年度で1年目が終了した.肥満モデル動物の確立ができており,骨格筋からRNA抽出および炎症性サイトカインの解析を行うことができており当初の予定通り進捗していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
骨格筋の毛細血管障害に対する予防効果を明らかにするために免疫組織科学染色を行い毛細血管の染色を行う.また,それらに関与するタンパク発現解析(VEGF,TSP-1ANG-1)を検証していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響もあり,抗体の納品が遅れたため,次年度への繰越となった.
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