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2023 年度 実施状況報告書

上喉頭神経の磁気刺激を用いた嚥下反射惹起誘発と摂食嚥下障害患者への適用

研究課題

研究課題/領域番号 23K16593
研究機関藤田医科大学

研究代表者

小川 真央  藤田医科大学, 医学部, 客員助教 (80866905)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード摂食嚥下障害
研究実績の概要

本研究は,嚥下反射惹起遅延を有する摂食嚥下障害患者に対して新たな治療法を考案することを目的としている.磁気刺激を用いて嚥下反射惹起の促進を試みる研究はわれわれの渉猟した範囲ではこれまで国内外ともにないが,磁気刺激は電気刺激よりも深部の刺激が可能であるために,上喉頭神経内枝の刺激が電気刺激よりも容易と考えている.一般に磁気刺激機器は大きく重いために,頸部の刺激は念頭になかったと思われるが,われわれが開発した弱い磁気刺激を行う装置のSPM(spinning permanent magnet)であれば,小型軽量であるため頸部への装着も可能であり,さらに感覚閾値未満の刺激のため,ピリピリなどの不快感も生じないというメリットがある.
本研究では,まず健常人に対するSPM刺激の即時効果を検討し,その後摂食嚥下障害患者に対するSPM刺激の即時効果を検討する.さらに,摂食嚥下障害患者に対するSPM刺激の継続効果についても検討を計画している.
これまでに,健常人20例を対象としたランダム化クロスオーバー試験を実施し,健常人に対するSPM刺激の即時効果を検討した.介入はSPM刺激あるいはsham刺激,刺激時間はどちらも20分間とし,それぞれの実施順はランダムに振り分け,1週間以上の間を空けて実施した.評価として,介入の前後でRSST(反復唾液嚥下テスト)と150ml 水飲みテストを実施した.その結果,介入前後のRSSTの変化はSPM刺激,sham刺激の介入の違いによる有意差を認めなかったが,150ml 水飲みテストにおけるswallowing capacityの変化はsham刺激と比べてSPM刺激によって有意な改善を認めた.
上記結果を踏まえ,今後はSPM刺激を摂食嚥下障害患者に適用するため,即時効果,継続効果について検討する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

科研費申請後に予期せぬ異動が決まり,新しい勤務先において研究遂行における施設・人員整備を進めている.この調整に予想以上に時間がかかってしまっているため.

今後の研究の推進方策

2024年度から2025年度にかけて,健常成人におけるSPMによる最適な刺激条件の検討を進め,条件が決まれば摂食嚥下障害患者での検討を実施する.摂食嚥下障害患者における即時効果,継続効果について検討し,データをまとめて論文にまとめる.

次年度使用額が生じた理由

当該未使用額は研究計画を誠実に遂行した結果生じたものであり,次年度に使用することによって,研究がより進展することが見込まれる.

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公開日: 2024-12-25  

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