研究課題/領域番号 |
23K16680
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
沼津 直樹 日本体育大学, 体育学部, 助教 (10885677)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ゴールキーパー / リーチ動作 / 身体重心加速度 / 動作の失敗要因 / 順動力学的貢献分析 |
研究実績の概要 |
<研究の目的>GKのダイビング動作を対象に,以下の2項目を遂行することを目的とする.①順動力学的貢献分析手法を用いて,ダイビング動作において異なる高さや距離に向けてより短時間で近づくために必要な全身の役割を定量的に解明する.②シュートストップ成功および失敗試技を比較することで,シュートストップ失敗試技における動作の改善点を解明し,リーチ課題成功率向上のために優先して指導すべき点を提示する. <研究実施計画>【測定対象者】大学サッカー部所属のGK10名およびGK未経験者5名(計15名),キッカー15名程度.【測定条件】沼津ほか(2019)を参考に,ペナルティエリアの端からのシュートを想定する.シュートコースは高さ3条件(上・中・下),距離2条件(遠・近)の6条件,左右併せて12コースを設ける. 【課題①:目的地へ素早く到達するための動作メカニズムの定量化,2023年度実施】 初年度は,本研究の最終目的の1つである,動作課題の成否に影響する動力学的な要因抽出のための基礎的資料として,ダイビング動作というリーチ課題に共通した,全身の動力学的な役割を解明する.分析手順としては以下を予定している.手順①:身体重心加速度を生み出すための全身の動力学的な役割について,シュートコース毎の平均値を算出する.手順②:①で得られた結果の共通点から「ダイビング動作として共通した動作要因」を,そして,相違点から「狙いとする地点に跳び分ける(より高く,またはより遠くへ跳ぶ)ために重要な動作要因」をそれぞれ明らかにする. 【課題②:動作課題の動力学的な失敗要因の抽出と改善策の提案,2024年度実施】 課題①の手順②と同様の方法を用いる.シュートストップの成否で各シュートコースの動作データを分類し,相違点を抽出することで動作課題の動力学的な失敗要因とその改善策を明らかにする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動作の測定(撮影)は終了し,400例近いデータの収集に成功した.現在は解析に進んでいる段階である.しかし,解析に際し,離地・接地前後の区間で大きな誤差が発生し,その原因特定ができていない状態である.離地・接地区間以外では概ね安定して解析が可能なデータも存在しているため,課題①が7-8割程度完了している段階と判断できるが,課題①の手順②までは完了していないため,課題②まで移行できていない.したがって研究計画よりは遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
解析時の処理方法に何らかのミスが存在しているものと考えられる.そのため,解析方法の提案者であり,本研究の連携協力者でもある小池関也教授(筑波大)に協力を仰ぎ,解析方法に関する確認を進める. もしくは,本研究で対象とした動作のように,離地・接地を繰り返す動作が解析に影響を与えている可能性も考えられる.そのため,検証のための測定として,本研究よりも静的な歩行動作などを測定し,解析を行うことで,原因特定を行うことが必要であると考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関内で調達した資金によって測定を遂行することができ,測定機材についても,必要な機材を保有している大学で計測ができたため,測定に必要な費用と旅費に関する支出を抑えることができた.なお,研究計画に対して後れを取っているため,解析に関する時間の短縮を目的として,より高速で計算可能な機器の購入や,解析が上手くいっていない原因の特定を行うために検証実験を実施する予定である.そのため,人件費や測定に必要な機器を購入する予定である.
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