研究課題
足底腱膜症の主な病態として、腱の変性(肥厚や瘢痕化)や新生血管の増加などが挙げられる。足底腱膜は荷重・抜重に伴って変形・復元することで、衝撃を吸収し、推進力に変換する弾性機能を有することから、肥厚や瘢痕化などの形態的変化に伴って、弾性機能(力学的特性)にも変化が生じている可能性が考えられる。そこで本研究では、生体組織弾性の定量評価が可能なShear wave elastography(SWE)を用いて足底腱膜の形態的変化に伴う力学的変化(弾性変化)を明らかにする。今年度は健常者を中心に足底腱膜の形態及び機能測定を進めた。また、足底腱膜は部位によって形態や機能が異なることが報告されている為、部位毎の測定を同様に実施し、超音波画像診断装置による信頼性の検討を行った。また、現在測定腱膜症のアスリートを対象に測定を進めている。
2: おおむね順調に進展している
2023年は、健常者を対象に足底腱膜の形態的・力学的測定を実施した。力学的特性(弾性)に関しては足底腱膜の近位部と遠位部の信頼性検討の予備実験を並行して行った。形態特性変化に関して得られた成果は『日本臨床スポーツ医学会』『日本足の外科学会』にて発表し、高い評価を得た。足底腱膜症患者を対象とした測定は、病院や部活動所属トレーナーに協力をあおぎ、現在測定を進めている。
2023年は、足底腱膜症患者の形態的・機能的特性に着目し、測定を進めていく予定である。
今年度繰越費用は、測定が実施出来た際にの検者の移動・宿泊費、機材借用・輸送費等に使用予定であった費用である。今年度は健常者を対象に測定を進めたため、足底腱膜症患者に対する評価が進んでおらず、病院へ出向いての測定等は実施していない。次年度はその点を実施していく予定である。
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臨床整形外科
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