研究課題/領域番号 |
23K16819
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
遠藤 郁実 佐賀大学, 医学部, 非常勤博士研究員 (50965001)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ストレスマーカー / 唾液 / HPLC-MS |
研究実績の概要 |
ストレス管理は現代社会の重要課題であり、客観的なストレスマーカーが必要とされている。現在、最も多くの研究で用いられているのはコルチゾールなどの唾液マーカーであるが、同時に、測定精度上の問題が指摘されてきた。唾液は血液と異なり、濃淡がダイナミックに変動するが、これまでに唾液の濃淡が唾液ストレスマーカーの評価に及ぼす影響を精査した報告はない。また、測定手法には多くの場合免疫ブロット (ELISA) が用いられ、交差反応や再現性の低さなど、定量性に限界がある。本研究では、唾液の濃淡補正とHPLC-MSを用いた分析の利用価値と精度を検証し、唾液によるストレスモニターの質の改善につなげることが目的である。2023年度は、実施計画の通り、唾液中のコルチゾールおよびコルチゾンを含めたストレスマーカーの固相抽出法および分析メソッドの最適化 (HPLC-MS) を行った。歯磨き後に、唾液は流涎法で直接プラスチックチューブに採取し、遠心上清をサンプルとした。ヒトの唾液上清と尿上清を用いて、同じ遠心カラムで抽出操作を試みた。唾液の粘度に関係なく、スムーズな目的物の吸着と溶出ができている。HPLC-MSによる分析メソッドに関しては、従来の尿中コルチゾールおよびコルチゾンの測定プロトコルをそのまま応用して、安定してコルチゾールおよびコルチゾン等を検出することに成功しており、現時点で、研究計画を概ね達成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、唾液のストレスマーカーの抽出および測定法が大部分既存の尿抽出メソッドの軽微な修正等で済んだため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究計画の通りに進める。被検者数を増やし、日内の唾液中濃度の変動を調査し、唾液濃淡補正法として、コルチゾール/コルチゾンの比が有効であるか確かめる。また、口腔内洗浄の要不要についても、調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、遠心カラムを1種類で実施する予定であったが、調製が上手くいかず、物品の購入を抑えた。しかしながら、その間、メーカーの試供品で簡単に唾液と固相の相性を調査することができた。また、メーカーキャンペーンで、3割引きでの購入が可能であったことも大きく、物品費に関して初年度支出額が抑えられている。また、共同利用機器であるHPLC-MS/MSの機器感度不良等で使用できない期間があり、利用料も計画より抑えられている。2024年度は機器の感度異常への対処方もわかったことから利用頻度が上がることが見込まれる。新たな遠心カラムおよび機器の洗浄用溶媒の費用に充当する予定である。
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